2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の多様性を生みだすメカニズム―神経幹細胞の細胞系譜と分子機構の解明
Project/Area Number |
23700409
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Research Institution | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
Principal Investigator |
佐藤 千恵 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (50583241)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 脊髄 |
Research Abstract |
形態、発火様式、伝達物質特性などを異にする神経細胞の多様性は、複雑な神経回路、様々な行動様式を生み出すため、極めて重要である。しかしながら、この 多様性がどのようにプログラムされているのかに関しては、ほとんどわかっていない。本研究では、神経発生の初期メカニズムが、比較的明らかになってきてい る脊髄をモデルケースとして取り上げ、神経細胞の多様性が生まれるメカニズムを明らかにすることを目的としている。脊髄では発生初期に転写因子がドメイン 状に発現する。この転写因子の発現は、進化的に保存されており、各ドメインからは生物種を通して共通の特徴を持つ神経細胞が誕生する。近年、各ドメインか らは、従来考えられていたよりも、さらに多様な神経細胞が誕生することが明らかになってきており、ドメイン内での多様性生みだすメカニズムの解明が極めて 重要な課題となっている。現在、申請者は、交叉型神経を生み出すV0ドメインの神経幹細胞から1種類の抑制性細胞と、形態学的にも電気生理学的にも異なる 3種類の興奮性細胞が誕生することを明らかにしている。さらに、BrdUのパルスチェイス標識法によって、3種類の興奮性細胞それぞれは異なった固有の発 生タイミングで誕生することを見出した。さらに、前駆体細胞を長時間in vivoタイムラプス観察を行い、前駆体によって生み出す神経細胞が異なり、p0前駆体細胞には多様性があることを見出している。
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