2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700417
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
久保 健一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20348791)
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Keywords | 大脳皮質 / リーリン / 発生 / 層構造 / 細胞移動 / 神経細胞 / マウス / 海馬 |
Research Abstract |
本研究では、リーリンが最終的に制御する分子を同定し、リーリンの成体における機能とその分子機構の全体像を明らかにすることを目的としている。平成25年度は、子宮内胎児電気穿孔法を用いたin vivoの系に加え、in vitroの回転培養系と分散培養系を用い、これまでの本研究で明らかになったNカドヘリンとインテグリンα5β1のそれぞれが、どのようにリーリンによって制御されるのかを明らかにすることを試みた。まずin vivoの系において、子宮内胎児電気穿孔法を用いてNカドヘリンとインテグリンα5β1の機能阻害を行うと、それぞれリーリンによって誘導される細胞凝集に変化を生じた。このため、リーリンの下流において、Nカドヘリンとインテグリンα5β1の両方が細胞接着に関わる可能性が示唆された。それぞれの機能の共通点と相違点を明らかにするため、更にin vitroの系を用いた解析を行った。これまで、リーリンの活性を調べるためのin vitroの系は確立されていないため、in vitroの回転培養系と分散培養系を用いてリーリンの活性の測定を行った。また、海馬の細胞移動にもリーリンが必須であることが知られていたため、新皮質と海馬を対照としてリーリンの機能を理解することを試みたが、意外なことに、正常の海馬神経細胞の移動形態についてはこれまで報告されていなかった。このため、まず、正常の海馬神経細胞の移動形態を明らかにして論文発表を行った(Kitazawa, A., Kubo, K., Hayashi, K. et al., J. Neurosci., 2014)。併せて、海馬は記憶形成などの脳機能に重要な脳部位であり、大脳皮質との移動様式の違いは脳の進化にも重要であると考えられたため、プレスリリースを行った。
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Research Products
(14 results)