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2012 Fiscal Year Research-status Report

ポリグルタミン病モデルを用いた神経細胞維持・変性に関わる新たな転写制御機構の同定

Research Project

Project/Area Number 23700430
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

山中 智行  独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (00381575)

Keywords神経変性疾患 / 転写因子 / ポリグルタミン
Research Abstract

ハンチントン病等のポリグルタミン病は、優性遺伝性の神経変性疾患であり、原因遺伝子内のCAGリピートの異常伸長が観察される。その結果、異常伸長したポリグルタミン鎖を有する変異タンパク質が産生され、これが、神経細胞の核内に凝集体を形成し、神経変性が引き起こされると考えられている。DNA microarray解析等の結果から、様々な遺伝子の発現異常と病態進行との関連が指摘されているが、その分子メカニズムの詳細については不明な点が多い。 これまでに、我々は、ポリグルタミン病モデルを用いたスクリーニング的解析により、ポリグルタミンタンパク質の新規ターゲットとして、転写因子NF-Y, Brn-2を同定し、これらが、皮質、視床下部という異なる部位での神経変性・機能障害に関わっている事を明らかとしてきた。本研究では、これまでのストラテジーを用いてさらに解析を進め、ポリグルタミン病モデルマウスの神経変性に関わる遺伝子発現異常の全貌の解明を試みる。
本年度は、ハンチントン病の病態進行に関わる転写因子をさらに同定するため、ハンチントン病モデルマウスより、脳皮質・線条体を単離し、Protein-DNA arrayにより、転写因子の活性変化を指標としたスクリーニングを行った。その結果、脳皮質において、E-box結合因子のDNA結合活性が低下していることが新たに明らかとなった。この転写因子は、変異ハンチンチン凝集体に結合すること、一方そのmRNA量は変化しないことから、共凝集がその活性低下に関与していると考えられる。さらに、クロマチン免疫沈降-DNAアレイ(ChIP-chip)により、E-box結合因子の直接の下流遺伝子を同定することに成功した。これら遺伝子の発現異常が何らかの機構を介してハンチントン病の病態にかかわっていると期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の研究により、ポリグルタミンタンパク質のターゲットとしてE-box結合因子を新たに同定できた。またChIP-chipを用いた網羅的解析により、その機能抑制がポリグルタミン病での遺伝子発現異常の一端に関与している可能性が期待された。しかしながら、その生理的重要性についてはさらに検討する必要がある。また、線条体を用いたスクリーニングからも活性変化する転写因子をいくつか同定しつつあるが、まだ最終的な結論は得られておらず、これらについてもさらに実験を遂行する必要がある。

Strategy for Future Research Activity

1.ハンチントン病モデルマウスの皮質でのE-box結合因子の抑制の生理的意義の検討
これまでに、ハンチントン病モデルマウス脳皮質を用いたGene expression array等による解析から、様々な遺伝子が発現変化していることが示されている。これに対するE-box結合因子の活性抑制の寄与について、Gene expression arrayとChIP-chipの解析結果を比較することにより検討し、発現変化のメカニズムとその生理的意義について明らかとする。
2.ハンチントン病モデルマウスの線条体で阻害される転写因子の解析
線条体で活性変化する転写因子について、その最終的確認を行うと共に、その活性変化と遺伝子発現異常との関連について同ストラテジーを用いて検討する。また、皮質・線条体での相違についても検討し、部位特異的病態との関連についても検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現在、上記転写因子群について、その生理的・病理的重要性を追求すべく、ハンチントン病モデルマウスを用いて実験を続けている。興味深い結果が得られつつあり、実験をさらに行うことにより、最終的な結論が得られると考えている。しかしながら、今年度中に終わる目途は立たず、次年度も解析を進めることが必要となった。次年度は、マウス飼育管理に多くの費用がかかり、また、DNA microarrayやChIP-CHIPに必要なDNAアレイの購入・解析等にも多額の費用が必要である。これらのために、研究費の一部を次年度に回し、研究を遂行する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Role of NF-Y transcription factor in neuronal cell maintenance and chaperone gene expression2012

    • Author(s)
      Yamanaka T, Tosaki A, Kurosawa M, Koike M, Uchiyama Y. Maity SN, Nukina N
    • Organizer
      EMBO EMBL conference
    • Place of Presentation
      Heidelberg, Germany
    • Year and Date
      20120919-20120922

URL: 

Published: 2014-07-24  

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