2011 Fiscal Year Research-status Report
コンドロイチン硫酸合成酵素欠損マウスにおける脊髄損傷後の機能回復
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23700440
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 神経科学 / 神経発生 |
Research Abstract |
細胞外基質のうちコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)は、発生初期に哺乳動物脳には大量に発現し、さらには脊髄損傷をはじめとする神経損傷時には急激な発現上昇とともに神経の再生を阻害する因子であるともされる。 この過程でコンドロイチン硫酸(CS)は本当に神経再生を阻害しているのか、さらに、神経発生過程でCSはどのような機能を果たしているのかを明らかにする目的で、我々の研究グループではコンドロイチン硫酸(CS)転移酵素の遺伝子欠損マウスの樹立に成功している。このマウスを用いた脊髄損傷モデルから神経再生におけるCSの直接的な機能と、このマウスの胎児期発生過程を解析することでCSの神経形成における機能を解析した。 今年度は、CSノックアウトマウスを用いることで脊髄損傷後に劇的な回復を示すことをまず明らかにした。これはCSの再生阻害因子としての直接的な証拠を示すこととなった。さらに、脳形成過程においてこのマウスでは大脳細胞移動に異常があることを見出した。現在このメカニズムを詳細に解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウスの構築と解析は順調に進んでいる。また、このマウスでの発生過程の解析も当初計画よりも順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は組織化学的解析だけではなく、培養細胞レベルでの解析を開始する。とくにノックアウトマウスからの細胞単離およびそれらを用いた分子生物学的解析の準備も進めており、より詳細な解析を推進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもにマウスの維持管理と上記研究を遂行するに必要な試薬の購入などに充てる予定である。
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