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2011 Fiscal Year Research-status Report

電位依存性ホスファターゼにおける電位センサーと酵素活性の共役メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23700446
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

坂田 宗平  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい研究員 (40528006)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords生理学 / 生体分子 / 蛋白質 / 電位センサー / イオンチャネル
Research Abstract

申請者の所属するグループは電位依存性ホスファターゼ(Ci-VSP)を発見した。申請者らはCi-VSPの電位センサーと酵素活性の電位依存性を定量的に計測し、電位センサーと酵素活性が強く共役していることを示した。本研究ではこの成果をさらに発展させ、電位センサーと酵素活性が共役するメカニズムを明らかにすることを目的とした。そのために、電位センサー部分の変異体、および機能修飾性のモノクローナル抗体を作成し、電位センサーを不完全が活性化状態に止めた状態で酵素活性を計測することを計画した。初年度は「研究実施計画」に記載した通り、Ci-VSPにおいて種々の電位センサーの変異体を作成をおこなった。しかしながら、当初目指していたような電位センサーが不完全な活性化状態に留まる変異体は作成できなかった。そこで動物種を変え、ゼブラフィッシュ由来のVSP(DrVSP)において、変異体の作成を行ったところ、電位センサーが不完全な活性化状態に留まっていると思われる変異体を作成することに成功した。酵素活性の計測は、PIP2依存的な活性を持つ内向き整流性カリウチャネル(Kir2)をVSPと共発現させ、酵素活性をカリウムチャネルの減少として計測する手法を用いた。その結果、電位センサーが不完全な活性化状態から完全な活性化状態に移行する際に、酵素活性が発揮されることが明らかになった。また、基底(resting)状態から不完全な活性化状態へ移行する際の酵素活性はKir2よりPIP2に対するアフィニティの低いカリウムチャネルであるkir3を用いて行った。その結果、resting状態からの遷移においても、酵素活性が発揮されることが分かった。このことは電位センサーが完全に活性化されなくても、VSPは酵素活性を発揮できることを示している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初、Ci-VSPを用いて電位センサーが不完全な活性化状態に留まることを作成することを目指したが、そのような変異体は作成できなかった。しかしながらゼブラフィッシュ由来のVSPにおいて、不完全な活性化状態に留まるような変異体の作成に成功した。さらに、この変異体の酵素活性を測定し、基底(resting)状態から不完全な活性化状態に遷移する過程、また不完全な活性化状態から完全な活性化状態に至る過程、いずれの過程においても酵素活性を伴うことを明らかにした。また初年度の研究計画ではVoltage clamp fluorometry(VSP)の方法で電位センサーを動きを計測する予定であったが、現在準備段階であり、まだ計測するに至ってない。しかしながら酵素活性を計測することで得られた知見は大変重要なものであり、本研究の最終目標でもある。そのため達成度は、おおむね順調に進展しているとした。

Strategy for Future Research Activity

初年度の研究成果から、VSPが酵素活性を発揮するには、電位センサーが完全な活性化状態に至る必要がないことが示唆された。次年度はこの知見を別の角度から検証する。まずは前年度から持ち越したVSPの方法で電位センサーを動きを観測する。またモノクローナル抗体を作成する。作成した機能修飾性の抗体を電位センサーに結合させ、電位センサーを不完全な活性化状態に固定する。その上でカリウムチャネル等を使用し、不完全な活性化状態に固定したVSPが酵素活性を発揮できるかどうか調べる予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

VCFの方法を行うために、グリシンマレイミドを購入する。またモノクローナル抗体を作成するための試薬、また免疫動物であるマウスを購入する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Crystal structure of the cytoplasmic phosphatase and tensin homolog (PTEN)-like region of Ciona intestinalis voltage-sensing phosphatase provides insight into substrate specificity and redox regulation of the phosphoinositide phosphatase activity2011

    • Author(s)
      Matsuda M., Takeshita K., Kurokawa T., Sakata S., Suzuki M., Yamashita E., Okamura Y., and Nakagawa A.
    • Journal Title

      J. Biol. Chem.

      Volume: 286 Pages: 23368-23377

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Coupling of the phosphatase activity of Ci-VSP to its voltage sensor activity over the entire range of voltage sensitivity2011

    • Author(s)
      Sakata S., Hossain MI., and Okamura Y.
    • Journal Title

      J. Physiol.

      Volume: 589 Pages: 2687-2705

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 電位依存性ホスファターゼ(VSP)の電位センサーの変異体における電位依存性酵素活性の計測2012

    • Author(s)
      坂田宗平、Md.Israil Hossain, 岡村康司
    • Organizer
      第89回日本生理学会
    • Place of Presentation
      松本
    • Year and Date
      2012年3月29日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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