2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700466
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 真有 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50581344)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 上丘 / 小脳 / 脳幹 / 神経生理 |
Research Abstract |
平成23年度:室頂核への上丘からの入力系についての解析を行い、それを基に室頂核の眼球運動関連領域から脳幹の標的細胞への投射経路の解析を行う。 上丘-室頂核間の入出力関係を明らかにするため、解剖学的解析を行った。上丘の最前部(固視領域)、前部(眼球運動領域)、後部(頚運動領域)にtracerを注入し、室頂核に逆行性に染色される細胞の分布を解析した。その結果、tracerを上丘の前半部に注入した場合、室頂核に両側性に細胞が逆行性染色されたが、後半部の注入では染色される細胞はほとんどなかった。同側より対側に染色される細胞が多かった。次に、室頂核で微小電流刺激を用いsystematic mappingを行って、眼球運動を誘発する室頂核の部位とその誘発される眼球運動の性質を解析した。この結果を基に、室頂核の異なる部位に限局して順行性tracerを注入した実験を行った。現在、脳幹へ投射する神経終末の分布を詳しく解析し、各核内部位からの投射領域の同定を行っている。 また、電気生理学的解析を行い、上丘から室頂核のうち上記で同定した眼球運動関連領域と、そこへ投射することが明らかとなった小脳虫部の部位(主にlobule VI, VII)のPurkinje細胞から神経活動及び電場電位を記録し、上丘からの入力について、苔状線維入力と登上線維入力の分布を調べた。上記の眼球運動関連領域の室頂核後部の腹側部とlobuleVIIに主に対側下オリーブ核を介して強い登上線維入力とそれより弱い苔状線維入力の入力パターンを明らかにした。それを基に、現在さらにそれぞれの入力を伝達する脳幹の中継核の同定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は計画通り順調に進展し、確実に次のステップへ進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
上丘から小脳虫部(lobule VI,VII)や室頂核への入力経路の中継核の同定を、電気生理学的および解剖学的手法を用いて、進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に、実験に用いる動物代、動物飼育料、手術関連薬品、染色用試薬などに用いる。
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