2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700473
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石川 太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50547916)
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Keywords | ニューロン / シナプス / 神経回路 |
Research Abstract |
本研究はラット及びマウスの小脳半球の背側傍片葉の顆粒細胞およびプルキンエ細胞における視覚誘発性応答を精査することを当初の目的としていた。さらにその発展として、視覚野を含む大脳皮質の各領域と小脳の機能的連関の解明に迫ることが本研究の意義であった.平成23年度から平成24年度においては、視覚刺激による小脳プルキンエ細胞の応答を探索した。また、大脳皮質体性感覚野と小脳の顆粒細胞の活動の同期を見出し、さらに脳幹の橋核においても同様の同期的活動があることを見出した。これらの知見から、視覚よりもむしろ体性感覚信号に着目した方がより効率よく大脳小脳連関の機能解析が可能であることが示唆されたため、平成25年度においては、大脳皮質体性感覚野と小脳の顆粒細胞の活動について精査することに注力した。その結果、麻酔下の動物の小脳crusII領域の顆粒細胞には、末梢から三叉神経核を介して直接的に到達する信号と、大脳体性感覚野を経由して間接的に到達する信号が到達していることが確認され、大脳皮質を薬理学的に抑制することで間接的経路を選択的に抑制できることが示された。さらに、単一顆粒細胞からホールセル記録により、個々の顆粒細胞に対して両方の経路からの収束的な入力があることが初めて明らかになった。このことは、小脳の入力段階に位置する顆粒細胞において、末梢からの信号と大脳皮質からの信号が統合されていることを示しており、大脳小脳連関の基本的な仕組みの一つが示されたと考えられる。
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