2011 Fiscal Year Research-status Report
新素材のハイドロゲルを用いた心筋梗塞に対する心筋幹細胞治療
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23700485
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | GFP陽性ラット / 心筋幹細胞 / 心筋梗塞 / 細胞治療 / ハイドロゲル / 細胞残存率 / 心機能評価表 |
Research Abstract |
投与する心筋幹細胞の準備: GFP陽性の雄性Sprague-Dawleyラット(SD-Tg(CAG-eGFP))の心臓を麻酔下に摘出。これを細かくトリミングし10cm2の培養ディッシュ上で心筋幹細胞の培養を開始した。4週間後に組織から培養された細胞(Outgrowth Cells)を採取し75cm2の培養フラスコに移動する。これを2回継代した後、凍結保存とした。ハイドロゲルへの細胞封入: カタラーゼを混入したハイドロゲル内に得られた細胞を100μlあたり2x105 個の割合で封入した。ラット心筋梗塞モデル: 雄性SDラットを麻酔し挿管し人工呼吸管理下におく。左開胸にて心臓に到達し冠動脈を7-0モノフィラメント糸にて結紮、心筋梗塞を作成した。次いで心筋梗塞周囲巣に各10Lずつ5か所、計50Lのa) PBSで懸濁した細胞、b)ハイドロジェルにて懸濁した細胞、およびc)PBSを投与した。細胞は5x105個/50Lの濃度で使用した。現在各群数匹ずつの投与が終了しており、来年度はそれぞれ目標匹数まで投与する予定である。心機能評価: 手術後第2病日に心機能を測定、これをベースラインの心機能とした。2、4,8週間後にそれぞれ心機能を測定し各群における心機能の変化を記録した。心機能は研究計画では超音波を用いる予定であったが、再現性に乏しく正確な評価が困難であると判断。小動物用のCTを用いて評価することとした。ラットを麻酔下におき、造影剤を微量シリンジポンプを用い経静脈的に投与、小動物CT装置を用い心拍同期モードにて拡張期と収縮期を撮像、心機能を評価した。現在、数匹のラットが心機能観察期間を終了し、組織試料作製済みである。来年度はこの試料の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験計画では心機能測定のために超音波装置を使用する予定であった。実際のラットを用いて超音波検査を行った結果、今回のモデルは局所の心機能回復を評価するものであり、各群における正確な心機能の測定には非常に困難を伴うことがわかり、心機能測定の方法を変更せざるを得なかった。 新たな方法は小動物用CTを用いて評価する方法であるが、これまでにこの装置を使用しての心機能測定の報告がほとんど見られなかったため撮像条件の設定にやや時間を要した。このため当初の計画よりもやや遅延する部分があったが、現在のところほぼプロトコールは確立し、今後の実験はほぼ予定通り順調に進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
各群を予定匹数まで処置を行い、心機能を測定するとともに、組織解析を行う。得られた結果を学会に発表するとともに論文の執筆を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定匹数に達するまで、ラットを購入しモデルを作成する。組織試料解析のための抗体およびプライマー、試薬を購入する。また学会発表および論文投稿に必要な経費を使用する予定である。
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