2012 Fiscal Year Annual Research Report
新素材のハイドロゲルを用いた心筋梗塞に対する心筋幹細胞治療
Project/Area Number |
23700485
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞治療 / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
心筋幹細胞培養: GFP陽性の雄性Sprague-Dawleyラット(SD-Tg(CAG-eGFP))の心臓を麻酔下に摘出。これより、心筋幹細胞を含むOutgrowth細胞を培養、これを2回継代した後、凍結保存とした。カタラーゼを混入したハイドロゲル内に得られた細胞を100µlあたり2x105 個の割合で封入した。ハイドロゲル非使用群は同容量のPBSにて懸濁した。次いで 雄性SDラットを麻酔下にて挿管、人工呼吸器に接続した。左開胸にて心臓を露出し左冠動脈を7-0モノフィラメント糸にて結紮、心筋梗塞を作成した。次いで心筋梗塞周囲巣に各10Lずつ7か所、計70uLのa) PBSで懸濁した細胞、b)ハイドロジェルにて懸濁した細胞、およびc)PBSのみを投与した。細胞は3.5x105個/70uLの濃度で使用した。投与後に心機能を計測するとともに、心臓を摘出し組織化学的、分子生物学的に解析した。 結果として細胞投与群でいずれのポイントでも心機能が有意に改善した。投与後1週間ではハイドロゲル使用群と細胞投与群に心機能に有意差は見られなかったが、4週間後においてはハイドロゲル使用群で術後4週間の心機能が有意に改善した。組織切片および分子生物学的解析からは、ハイドロゲル使用群で細胞の残存率が高く、また心筋マーカーおよび血管マーカーが多く発現していたことから、徐放性ハイドロゲルの使用は、長期において心機能の改善およびリモデリングの抑制に有用であると考えられた。加えて、本研究期間内において、腫瘍形成は見られなかったことから、心筋幹細胞の使用は安全であることが示唆された。
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