2012 Fiscal Year Research-status Report
ドミナント・ネガティブ型Creを応用した扁桃体特異的遺伝子KOマウスの作成と解析
Project/Area Number |
23700488
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
城山 優治 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90456195)
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Keywords | Cre recombinase / 部位特異的遺伝子欠損 / PhiC31o / 扁桃体 |
Research Abstract |
本研究計画の最終目的は、脳部位特異性の極めて高い遺伝子欠損マウスの作製法の確立である。その為に、異なる二つの遺伝子プロモーターを用いたトランスジェニックマウスを用いて、遺伝子欠損領域をの特異性を向上させるストラテジーの開発を行う。その為に、ドミナント・ネガティブ型のCreリコンビナーゼ分子を確立し、それを応用することによって目的のマウス作製を目指す。 研究目的達成のためには、いくつかの分子生物学的なブレークスルーが必要となる。そのひとつがドミナント・ネガティブ型のCre分子の確立であるが、その第一候補であった変異分子であるCreY324Fは、トランスジェニックマウスにおける解析の結果、ドミナント・ネガティブ効果が低い事が既に前年度に示されていた。これに関しては、別の候補分子をスクリーニングする必要がある。 並ぶもうひとつのブレークスルーが、Creと並列して用いる第二のsite-specific DNA recombinaseの応用法の確立である。今回我々は、その第一候補であるPhiC31oがHEK培養細胞系でも機能することを確認した。また、Cre recombinase依存的にPhiC31oが発現するベクターを用いることにより、Cre recombinase依存的にPhiC31o特異的な遺伝子組み換えが誘導されることが確認された。この事は、Cre recombinase発現とPhiC31o recombinase発現を組み合わせた限局的な遺伝子欠損が可能であることを示唆しており、研究は次の段階に入ったことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PhiC31o recombinaseの機能確認、またCreとPhiC31oとの連続的なsite specific recombinationが確認できた点で進捗はあった。 しかし、最大のブレークスルーであるドミナント・ネガティブ型の変異Cre分子の確立がまだ達成されていない。残りの年度は、Y324Fに代わる変異分子の探索に焦点を絞り、研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画では、ドミナント・ネガティブ型Creを用いて脳部位特異性の極めて高い遺伝子欠損マウスを作成するまでの研究推進を2014年度までに予定していたが、計画を変更し、ドミナント・ネガティブ型Creの確立までを目指すこととする。 2014年度は、Y324Fに代わるドミナント・ネガティブ型Cre分子のスクリーニングに焦点を絞った研究を行う。ドミナント・ネガティブ型Cre分子は、それ自身がRecombinase活性を持たず且つ野生型CreのDNA結合をブロックする程にloxP配列へのDNA結合能力が強く維持されている必要がある。各種変異分子のRecombinase活性に関する論文報告がいくつか存在するので、その中からRecombinase活性の無い分子を候補として選択し、培養細胞系を用いたスクリーニングを行う予定である。また、近年、生体内における新規蛍光プローブの探索等において大規模スクリーニングを行う例が多いが、Creの変異分子探索にも応用すべく検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養細胞や、in vitro translation等の生化学的な消耗品代に費用がかかることが予想されるため、分子生物学的な消耗品への使用がメインとなる。
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Research Products
(4 results)