2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700495
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
加藤 康広 玉川大学, 脳科学研究所, 嘱託研究員 (50466405)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 神経電極 / 神経インタフェース / MEMS / ECoG / サル / 神経科学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
本研究は、これまで独立して記録されていた微小針電極による単一神経細胞活動記録と、脳表上の皮質電図(ECoG)の同時記録を可能とするために、サル用ガイド管型ECoG電極の開発を目的として実施した。提案するECoG電極が実用に至れば、多領野間の広範囲な神経活動応答の収集が可能になると考えられる。さらに、このような記録手法と解析によって、大脳皮質の領野間や脳深部-大脳皮質間を横断する情報ネットワークの機序が明らかになる可能性があり、期待が高い。 最終年度である平成24年度は、辞退する7月末までにおいて、申請者がこれまでに成功した神経電極の作製技術(半導体微細加工技術)を応用し、ガイド管の外周曲面上に薄膜状の記録電極を作製した。記録電極の形成は、硬膜を穿孔するために利用されているステンレスガイド管を主材料として行った。これにより、従来の計測条件を変更せずに、ガイド管内に留置された針電極と同時にECoG用電極からの記録を実現できる。前年度の結果を考慮し、電極や配線のパターニング条件、電極配線層を絶縁する感光性絶縁材料の固着条件、参照電極の配置などを調整し、ECoG用電極と参照電極の複数配置と加工工程の簡素化に成功した。 1年と4カ月の研究期間全体を通して、電極材料の生体適合性の評価に関する報告については2件、電極の作製法に関する報告については1件、計3件国際誌への採択に至った。課題遂行中のサル大脳皮質からの記録とその評価には至らなかったが、さまざまな用途に応じて簡易に神経電極を作製する技術を確立した。今後、本研究で確立した技術をひろめ、サルに限らず様々な動物実験への利用を進めたい。
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Research Products
(2 results)