2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700522
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
内尾 こずえ 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 主任研究員 (70373397)
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Keywords | 実験動物 / 腎疾患 |
Research Abstract |
腎不全は抜本的な治療法がなく、人工透析、腎移植といった負担の大きな治療法に依存しているため、腎疾患患者数の増加は医療費増大に直結しており、早急に解決しなければいけない社会問題の一つである。そこで腎疾患発症機序解明、創薬・治療法開発に貢献することを目的とし、本研究において腎疾患に関連する遺伝子を同定し、汎用性の高い新規腎疾患モデルマウスの作製に取り組んでいる。 1.腎疾患関連ゲノム領域の同定:ネフローゼ症候群を自然発症し腎不全に至るICGNマウスおよびICGNマウスの原因遺伝子の一つであるtensin2の変異を持つコンジェニック系統D2GN系統(DBA2 background)・B6GN系統(B6 background)を用いたQTL解析を行い、昨年度、腎疾患関連ゲノム領域を複数同定した。その中でも特に腎疾患および自己免疫疾患と関連が深いと予測される領域について、絞り込みを行い、遺伝子発現解析、シーケンス解析を順次行った。 2.新規腎疾患モデルマウス作製:上記ゲノム領域を持つコンジェニック系統の作製を継続して行い、現在7世代目に至り、コンジェニック化が終了したため、病態解析用のマウス繁殖を開始した。さらにゲノム領域の絞り込みを行うため、コンジェニック系統がもつICGNマウスゲノム領域を絞り込み、系統化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は腎疾患発症メカニズムの解明、創薬・治療法開発に貢献することを目的とし、本年度は(1)腎疾患関連ゲノム領域の同定・絞り込み(2)腎疾患関連ゲノム領域を持つ新規コンジェニックマウスの作製を行った。 (1)腎疾患関連ゲノム領域の同定・絞り込み:H23年度までに腎疾患関連ゲノム領域を複数同定していたが、その中でも特に重要な領域まで絞り込みに成功した。特に自己免疫疾患に関与する領域が重要であることが明らかになり、予定通り研究が進行している。 (2)腎疾患関連ゲノム領域を持つ新規コンジェニックマウスの作製:腎疾患関連ゲノム領域を持つコンジェニック系統をスピードコンジェニック法を駆使し、予定通り複数樹立した。H25年度には病態解析を行うことが可能となり、順調に進展している状況である。 H25年度には、上記2つのプランを進展させ、疾患・創薬研究に有用で汎用性の高い腎臓病マウス系統を樹立する。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度には、H23年度に同定した複数の腎疾患関連ゲノム領域の中で、特に腎疾患病態進行・自己免疫疾患に関与する遺伝子について解析を行ってきた。またこれらの腎疾患関連ゲノム領域をもつ新規マウス系統を複数樹立した。最終目標である汎用性の高い腎疾患モデルマウス作製のために(1)腎疾患関連ゲノム領域の同定・絞り込み、(2)(1)の領域を持つコンジェニック系統の作製を継続して実施する。 (1)腎疾患関連ゲノム領域の同定・絞り込み:H23,24年度に腎疾患関連ゲノム領域を同定したが、その中から特に疾患に深く関連する遺伝子を絞り込む。マイクロアレイデータを参照し、腎に発現している分子、自己免疫疾患に関連する分子を中心にシーケンス解析を行い、変位遺伝子の同定、腎疾患発症機序の解明に努める。 (2)腎疾患関連ゲノム領域を持つコンジェニック系統の作製:H23,24年度に同定したゲノム領域(1,2,7,13,19番染色体の関連領域)を持つコンジェニックマウスを作製し、H24年度に系統を確立した。H25年度には、これらマウス系統の病態解析を行い、腎疾患モデルマウスとして利用可能であるか評価を行う。 (1)(2)を並行して実施することが本研究での特色であるので、この強みを生かして、疾患・創薬研究に有用で汎用性の高い腎臓病マウス系統を樹立したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、本研究で開発した新規腎疾患モデルの病態解析を実施するために、以下の研究費を要する。 ・病態解析に必要な消耗品の内訳として、病理検査用試薬(染色液、抗体など)、定量的PCR試薬、シーケンス試薬、ELISA試薬、血清生化学用試薬などが含まれる。 ・新規腎疾患マウス作製、病態解析のための動物飼育費は(独)医薬基盤研究所の動物実験管理運営委員会で定められた料金を支払うため、使用予定ケージ数にかかる経費を計上した。 ・成果を学会で発表するための国内旅費、成果を論文で発表するための英文校閲比、別刷り印刷費を計上した。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Protein kinase C regulates human pluripotent stem cell self-renewal.2013
Author(s)
Kinehara M, Kawamura S, Tateyama D, Suga M, Matsumura H, Mimura S, Hirayama N, Hirata M, Uchio-Yamada K, Kohara A, Yanagihara K, Furue MK
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(1)
Pages: e54122
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The mechanisms by which diabetes mellitus increases the risk of Alzheimer's disease.2012
Author(s)
Sato N, Mori-Ueda M, Tanaka T, Takeda S, Uchio-Yamada K, Ueda H, Shinohara M, Murayama S, Takeda M, Rakugi H, Morishita R.
Organizer
Keystone Symposia, Aging and Diseases of Aging
Place of Presentation
東京
Year and Date
20121025-20121025
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[Presentation] Old APPxob/ob mice showed highly increased level of tau phosphorylation in brain.2012
Author(s)
Sato N, Mori-Ueda M, Tanaka T, Takeda S, Uchio-Yamada K, Ueda H, Shinohara M, Murayama S, Takeda M, Rakugi H, Morishita R
Organizer
Neuroscience 2012
Place of Presentation
New Orleans
Year and Date
20121015-20121015
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