2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700526
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
CABRAL Horacio 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10533911)
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Keywords | リンパ節転移 / 高分子ミセル / オキサリプラチン |
Research Abstract |
本研究の目的は白金錯体抗がん剤を内包する高分子ミセルを用いて初期段階のリンパ節転移に対する全身投与型のドラッグデリバリーシステム(DDS)を達成することである。前年度まではB16-F10-Lucマウスメラノーマ細胞を用いて初期段階の腋窩リンパ節の転移がんモデルを作成し、ミセルの効果を確認した。その結果、(1,2-diaminocyclohexan)platinum(II)(DACHPt)とブロック共重合体PEG-block-poly(L-glutamic acid)(PEG-p(Glu))から調製されたDACHPtミセルがリンパ節転移がんに対して高い集積性と抗腫瘍効果を示すことが確認した。本年度は同ミセルのサイズ効果について検討した。30nmと70nmのDACHPtミセルを比較したところ、30nmのミセルがより腫瘍深部へと浸透し、腫瘍細胞の増殖を抑制することが見出された。このようなミセルのサイズ効果によるリンパ節転移の抑制は、これまでに報告例がなくDDSの研究分野にとって重要な発見である。また、同様の試みをスキルス性胃がんのリンパ節転移へ展開させたところ、上記と同じく30nmのミセルで高い抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。スキルス性胃がんならびにそれらの転移はこれまで治療が困難な腫瘍として知られているが、本発見はこれらのがんに対する新たな治療戦略を提示することになり、今後の更なる発展が期待されている。
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