2011 Fiscal Year Research-status Report
超偏極キセノン磁気共鳴イメージングによる包括的な肺機能診断法の開発
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23700534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 宏彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 招へい教員 (40506466)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 核磁気共鳴 / 磁気共鳴イメージング / 超偏極希ガス / 呼吸機能イメージング / 光ポンピング |
Research Abstract |
本研究は、超偏極キセノン磁気共鳴イメージング(HP 129Xe MRI)を用いて完全非侵襲にかつ包括的に肺機能を診断する手法の開発を目的とし、肺疾患の診断や病態の解明及び創薬研究への展開を目指す。その実現のためには、HP 129Xe MRIの高感度化及び高速化が不可欠であるため、主に下記2項目の要素技術について、並行して研究を進めた。1.129Xe偏極装置の改良 本装置で利用する光ポンピング法の効率改善を進めた。具体的には、偏極容器内の温度分布の検討及び高出力半導体レーザーの狭帯域化を検討した。温度分布については、均一かつ安定した温度制御が可能な機構を新たに設計、採用することで、129Xe偏極率を向上できた。狭帯域化レーザーについては、この目的のために新たに導入した光源を用いてHP 129Xeの生成を確認した。今後、偏極条件の最適化を進める予定である。2.129Xe MRI撮像法の開発 種々の高速・高感度撮像法を改良し、HP 129Xe MRIにおける最適化と肺機能マッピングへの応用を検討した。具体的には、マウスにHP 129Xeガスを吸入させ、肺組織・血液に溶解した129Xeの直接イメージングを試み、比較的高分解能な画像取得を可能とした。また、肺空洞部の129XeガスMRIでは、その高速化と高精細化を可能とした。さらに、これらを肺機能の導出が可能な撮像法に発展させ、その基礎的検討および肺機能導出のための新たな解析モデルを提案、構築した。その上で、肺疾患モデルマウスに適用し、本手法が病態評価に利用できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
129Xe偏極装置の改良において主要な役割を果たす狭帯域高出力半導体レーザーの導入が当初の計画よりも遅れたが、導入後は129Xeを偏極させるまでの調整が当初の計画よりも速く進んだ。また、129Xe MRI撮像法の検討では、その最適化から肺疾患モデルマウスでの病態評価能の検討まで比較的順調に進んだ。以上から、全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、129Xe偏極装置の改良及び129Xe MRI撮像法の最適化について各要素技術の開発を進め、さらにそれらを洗練する。具体的には、新たに導入した光源を用いて129Xeの偏極条件を最適化する。また、肺機能の包括的評価に向けて、肺機能パラメータを導出するための基本手法と解析モデルを構築する。最終的には、上記偏極装置と撮像法を組み合わせ、HP 129Xe肺画像の高感度化と高効率撮像を目指すとともに、肺機能の包括的な評価を通して、肺疾患をどの程度早期にかつ局所的に捉えることができるのかを明らかとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は主に下記のために使用する計画である。1.新規光源に適した偏極装置の改良のため、光学系および配管系の材料購入2.動物実験のため、マウス、麻酔薬などの購入3.キセノンガスの購入4.研究成果発表のため、学術集会への出席のための旅費及び論文発表のための経費
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Research Products
(10 results)