2012 Fiscal Year Annual Research Report
多様な検体の作用を生細胞を用いて測定するための微小流体デバイス
Project/Area Number |
23700543
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
二井 信行 東京電機大学, 総合研究所, 助教 (10508378)
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Keywords | マイクロ流体 / 動的再構成 / 封止剤 / 細胞培養 / ゲルパターニング |
Research Abstract |
離散化壁面の駆動による動的再構成可能な微小流体チップは,一般的な微小流体の動的再構成法と比較して,駆動できる対象が多いため,多様な検体に対応できるという利点がある.しかし,毛細管力によりピンの間隙を介して外部と液絡する問題(吸い出し)と,メニスカス力により,隣接するピンがつられて動く問題(重ね送り)がある.そこで,重ね送りを防ぎつつ適切に液体をシールする方法として,加熱プローブと温度により粘度変化をもたらすピン間封止材を開発した.今年度は,加熱プローブを改良し,先端において±2℃の温度制御と可能した.また,ピン間封止剤として,昨年度までに開発したポリオレフィン混合体は,特に加熱時の粘度低下が急峻すぎて,流路中の液体に封止剤が移行する可能性が高かった.そこで,新たにシリカ系ならびにフッ素樹脂系のフィラーを混合することにより,ピン駆動時の封止剤加熱中にも粘度が過剰に低下せず,かつ駆動対象のピン近傍のみ有意に粘度を低下させられるフィラーの組成を見出した. 次に,上記の微小流体チップを用いて,フルオレセインとローダミンWT含有を含有したアクリルアミドゲルを、1つの流路内に隣接させ,かつ互いに混合することのないようにパターニングすることにも成功した. さらに,上記チップへSV40-T2細胞を播種し,ピンと上記封止剤を含む流路中での培養を試みた。まず,ピン等のチップを構成する部品,これらの部品を固定する接着剤,そして封止剤のいずれにも,単体では細胞に対する毒性あるいは細胞接着・増殖を阻害する作用はないことを確認した.しかし,これらの部品を組立ててプラットフォームにした状態で細胞を播種したところ,チップ間,あるいはチップ内の部位によって,細胞の基板の接着の度合いにばらつきがみられた.そのため,チップの組み立て工程に,細胞の接着を阻害する何らかの問題があると考えられる.
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Research Products
(3 results)