2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内糖化物センシング法及び細胞機能制御基盤技術の開発
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23700545
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三上 あかね(坂口あかね) 東京工科大学, 応用生物学部, 助教 (70469782)
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Keywords | 生体情報・計測 / 細胞機能制御 / 細胞内計測 / 糖尿病 / 糖化物 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
本研究では、糖尿病合併症やアルツハイマー病等の疾病に関与する糖化物(GPs)を認識する転写調節因子の構築、及び、これに基づく、細胞内GPs濃度応答性の遺伝子発現制御技術の開発を目的とする。 はじめに、GPsに特異的に応答する転写調節因子の構築を試みた。まず、糖化物応答性転写調節因子の検索およびクローニングを試みた。これまでに、糖化物特異的に誘導発現する真核生物由来のタンパク質の報告はない。また、これまでの研究代表者らの研究から細菌由来のGPs異化機構に存在するLacI様蛋白質(SocR)またはGntR様蛋白質(FrlR)の遺伝子はGPs応答性の転写調節因子 (GprR)であると示唆されている。そこで、PCRを用いてGPs資化細菌のゲノムよりSocR遺伝子およびFrlRのクローニング及び、大腸菌発現用ベクターを構築した。また、これらを用いて大腸菌を形質転換し、SocRおよびFrlRの組換え生産及び精製を行った。続いて、in vitroにおけるGprR様タンパク質の特性検討を行った。まず得られた組換えSocRを用いて、リガンド結合能を評価したところ、SocRは、糖化物に結合することが示され、SocRは新規のGprRであることが示唆された。そこで、コンピューターシミュレーションを用いて、SocR立体構造モデル、及びSocRのリガンド(GP)結合ドメインにLacIのDNA結合ドメイン及び複合体形成ドメインを付加したキメラタンパク質(LacI-SocR chimeric protein, LSCP)の立体構造モデルを作製した。これを基に、LSCP大腸菌及び動物細胞発現用ベクターの構築を行い動物細胞における転写調節因子としての機能評価を試みた。今後、動物細胞内におけるGprR機能を示すことで、細胞内GPs濃度応答性遺伝子発現制御技術の構築が可能になると期待される。
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Research Products
(5 results)