2013 Fiscal Year Annual Research Report
胚成長モデルのマルチセンシングシステムの確立と疾患モデルにおける臨床応用
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23700547
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
森谷 健二 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (90342435)
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Keywords | 間歇性低酸素環境 / ニワトリ胚 / 胎児モデル |
Research Abstract |
本テーマでは母体から独立して成長し,容易に育成環境変化応答を調査することのできる鳥類卵,中でも安価に入手可能なニワトリ胚を胎児の生体情報計測モデルとして,特に循環動態機能の成長と医用について調査することを目的としている.なかでも,成長環境に依存した,DNA解析には現れない様々な疾患について早期に予測することを最終ゴールにしている. 1)H24年度までの研究において,胎児の正常な成長にはある程度以上の体動が伴うことが明らかになり,そのことから体動量の解析により疾患を発見できるのではないかと着想するに至った.我々は,通常の孵卵環境,そしてヒト胎児でも起こり得る間歇性の低酸素症時における体動量の調査を行う事で,疾患と体動量の関連を明らかにすることとした.しかしながら,このような目的のために任意の時間だけ任意の酸素濃度に制御するシステムは市販されていないため,H24年度に試作を行い,H25年度にシステムの完成に至った.製作した酸素濃度制御システムは設定酸素濃度に対して±0.15%(酸素濃度%ではなく設定値に対する誤差率)の精度で制御可能であり,通常環境から目標酸素濃度には最長でも1分で到達することができる.今後は本制御システムを用いて,様々な間歇性酸素環境を設定して,体動計測実験を行い,酸素濃度と体動の関係を明らかにする. 2)本テーマでは電磁波が胎児の循環動態機能に与える影響についても調査を進めてきた.哺乳動物では母体の影響を受けるが,ニワトリ胚では胎児の生理機能をダイレクトに計測できる利点があるからである.携帯電話実機を用いて.有精卵約150個体について携帯電話強度の電磁波曝露を30分/毎時,行った.統計解析によって,コントロール群に対して孵卵初期において成長遅れあるいは死亡などの影響を受ける可能性が示唆されたものの,今後の詳細な追実験を必要としている.
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Research Products
(4 results)