2011 Fiscal Year Research-status Report
新規高強度ハイドロゲルーテトラPEGゲルの医用構造材料へ向けた評価と機能性の付与
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23700555
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 崇匡 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70456151)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 生体材料 / 精密構造制御 |
Research Abstract |
高分子網目構造の均一性に由来した高い力学特性を有する新規なハイドロゲルであるTetra-PEGゲルの医療応用を目指し、医用構造材料に求められる(1)生体適合性、(2)高い力学特性、(3)薬物放出能、(4)分解制御性の評価・付与を行うことを目的とする。これまでの研究により、Tetra-PEGゲルは(2)を満たしていると考えられるため、(1)、(3)の評価、(4)の付与を目的とする。具体的な研究内容は以下の3点である。a.原材料・ゲル作製過程・作製されたゲルの生体適合性の評価b.高分子モデル薬物のゲルからの放出挙動の評価c.分解性ユニットを有するTetra-PEGゲルの分解挙動の評価本年度は、主にa、cについての検討を行った。aについては、原材料・ゲル作製過程・作製されたゲルの生体適合性の評価を行い、細胞毒性がないことを確認した。また、ゲル上での細胞増殖実験を行い、細胞接着が低いレベルに抑えられることを明らかにした。これらの特性は、バイオマテリアルとしての応用を考えた際には極めて有効な特性である。cについては、まず、ゲルの形成ユニットである非分解性ユニットと分解性ユニットの合成に成功した。次に、ゲル形成ユニットを任意の割合で混合することにより、ゲルを作製し、その力学特性が分解性に依存せず一定であることを確認した。また、その分解性が制御可能であること、また予測可能であることを確認した。cの内容に関しては、すでに英文学術雑誌にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な研究内容である3点の内の、2点に関してはほぼ結果が得られており、1点に関してはすでに英文学術雑誌に掲載されている。また、残りの1点についてもプレリミナリーな結果は得られており、極めて高い分子ふるい能を有することが明らかとなってきている。以上より、残りの1年で十分に当初の目的を達成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はaのテーマについてより詳細に検討し、物性を変化させたゲルにおける細胞接着性の評価をあわせて行う。また、bについては現段階でプレリミナリーな結果も出ており、モデル化の検討もすでに開始しているために、現状の検討をさらに進めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度は、ゲルの材料費、拡散挙動を調査するためのモデル物質としてのDNAや量子ドット、学会発表のための旅費を使用することを計画している。
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Research Products
(3 results)