2011 Fiscal Year Research-status Report
磁気アルキメデス効果を利用した非標識細胞アセンブリによる筋組織構築
Project/Area Number |
23700557
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 客員准教授 (80585878)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 組織工学 / 磁気アルキメデス効果 / ラベルフリー |
Research Abstract |
本研究では、細胞のみからなる3次元組織の生体外構築に向けて、反磁性を利用した3次元細胞アセンブリデバイスを開発する。本手法は,培養液に強磁性体化合物を溶解することで細胞を相対的に反磁性体と見立てて、非標識で同時に大量の細胞の集積を可能にするものである。平成23年度においては,MRI造影剤として用いられている各種ガドリニウム化合物の細胞毒性を評価および,円柱形状に細胞を凝集させるためのデバイスの設計および試作を行った. 以下のMRI造影剤3種(gadoteridol (Gd-DO3A-HP), gadoterate meglumine (Gd-DOTA), gadopentetate dimeglumine (Gd-DTPA)を用いてその毒性の評価を行った.これらの造影剤をDMEM培地に終濃度が0, 20, 40, 80 mMとなるように溶解し,細胞活性をWST-1を用いて,12時間ごとに評価した.ただし,このとき,培地中のNaClを減らすことで,造影剤に添加による浸透圧の上昇を防いだ.その結果,80 mM添加時において,ProHanceの毒性が最も低いことが確認出来た. 次に,円柱形状に細胞を凝集させるためのデバイス作製に向けて,有限要素法による磁場解析を行い,その結果に基づき2対の電磁石からなるデバイスを作製した.本デバイスにより,磁化率が細胞とほぼ同等の蛍光ビーズを中心に凝集させることができることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,細胞を用いた評価を行うことで,本手法に最適なガドリニウム化合物の決定することができた.また,有限要素法による磁場解析に基づき,電磁石デバイスの設計・試作を行い,粒子を凝集させることが可能であることを確認した.これらは,研究計画通りである.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は,電磁石とz軸自動ステージを同期させ,それにより円柱形状に細胞を凝集させるデバイスを完成させる.さらにこのデバイスを用いて,筋細胞を凝集させ,筋組織の構築を試みる.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,円柱形状の筋組織を構築に向けて,ほとんどの経費を細胞培養関連(細胞購入,培地,血清,器具)に用いる予定である.
|