2012 Fiscal Year Annual Research Report
ジスルフィド交換反応を用いた新規刺激応答性表面の調製と遺伝子導入への応用
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23700566
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋元 文(水谷文) 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10585805)
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Keywords | 刺激応答性表面 / 生体分子応答性高分子 / コントロールドリリース / 遺伝子導入 / リバーストランスフェクション |
Research Abstract |
本研究では、リバーストランスフェクション法の遺伝子導入効率の上昇を目指して、ジスルフィド交換反応によりDNA-カチオン性高分子複合体を培地中にコントロールドリリースする機能性表面の開発を行った。チオール基修飾ガラス表面とピリジルジスルフィド基を導入したポリエチレンイミン(PEI)を反応させ、PEI修飾表面を得た。調製した表面は、X線光電子分光(XPS)および表面ゼータ電位の測定により、ジスルフィド結合を介してPEIが修飾されていることを確認した。PEI-ガラス表面を0, 0.4, 1, 5 mmol/Lのシステイン(Cys)含有リン酸緩衝液(pH 7.4, 200 mmol/L)にそれぞれ25°C で24時間浸漬した後に表面ゼータ電位を測定すると、暴露していたCys濃度に応答して値が変化することがわかった。0-0.4 mmol/LのCys暴露の場合にはPEIがほとんどリリースされないため、チオール基修飾表面と比較して20 mV以上高い値を示したが、1-5 mmol/LとCys濃度が高くなるにしたがってPEIがリリースされてゼータ電位の値は0-0.4 mmol/LのCys暴露の場合よりも2-7 mV程度低くなる傾向が示された。この値の変化は、PEIに導入するピリジルジスルフィド基の量を変えることによっても制御することができた。さらにPEI-ガラス表面上にDNAを吸着させ、その上で293T細胞を培養したところ、DNA-PEI-ガラス表面はポリスチレン製細胞培養皿と同様に293T細胞を接着させることが明らかになった。293T細胞を用いてCysの細胞毒性評価を行った結果、0-5 mmol/Lまでの濃度では細胞生存率が83-117%であることも確認した。以上より、細胞に毒性を与えない量のCysを培地に添加することで、PEIをコントロールドリリースする細胞培養表面を調製できた。
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Research Products
(1 results)