2012 Fiscal Year Research-status Report
多自由度屈曲機構と可変広輻輳角機構を備えた腹腔鏡下外科手術用立体内視鏡の開発
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23700572
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
佐藤 生馬 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教 (00586563)
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Keywords | 立体視 / 輻輳角 / 立体内視鏡 / 腹腔鏡 |
Research Abstract |
本研究では術野の限られた腹腔鏡下外科手術において、腹腔内で最適な視野の確保と広い輻輳角により広い範囲で違和感なく自然な奥行感のある立体画像を提示し、医師の負担を低減することを目的とした「多自由度屈曲機構と可変広輻輳角機構を備えた腹腔鏡下外科手術用立体内視鏡の開発」を行う。 初年度に試作した光学系は、輻輳角が大きすぎたために立体感は大きいが、視差も大きくなりすぎてしまい、立体的に見える奥行きの範囲が制限されると同時に疲労感が強いという結果が得られた。よって、本年度は自然な立体視を実現するために、2つのCMOSイメージセンサの光学系の再検討とセンサの輻輳角変化時の立体視に関する評価を中心とした以下の2つについて研究を進めた。 (1)可変輻輳角機構を有する立体内視鏡の光学系の再検討:SXGAの解像度を持つCMOSイメージセンサによる光学系の設計を行い、φ15mmの可変広輻輳角機構を備えた内視鏡を開発した。立体内視鏡の立体視は自然視に近い交差法とした。開発した内視鏡は約4㎝から30㎝の領域で立体視が可能であった。また、より高解像度かつ細径の内視鏡開発するため、携帯電話などに使用されているMIPI インタフェースを持つ小型CMOSを用いて光学系の検討および設計を行った。 (2)輻輳角の変更による立体感の評価:本実験による立体視は自然視に近い交差法とし、2つのSXGAの解像度を持つCMOSイメージセンサを用いて、センサ間(基線長)とセンサの角度を変更することで輻輳角を変更し、変更した各角度による立体視の立体感を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度に、φ15mmの可変広輻輳角機構を備えた内視鏡の試作の開発を行い、その結果を元に国内の学会等で発表する予定であった。しかしながら、使用したCMOSセンサの仕様により、基線長に制限があり一定以下の輻輳角が実現不可能であった。このため、従来研究に対する比較および有用性に関して若干の問題が生じたため計画を変更し、対応不可能な輻輳角についてはソフトェアにより補間することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は開発した内視鏡の機構的に対応不可能な輻輳角について、補完するプログラムを作成する。そして、本年度開発した内視鏡の立体感と疲労感や使用感に関する評価を詳細に行う。また、立体内視鏡のより高解像度化かつ内視鏡の径の細径化のために、MIPI インタフェースを持つ高解像度CMOSとこれまで開発してきた内視鏡を基に高解像度立体内視鏡を検討する。そして,このイメージセンサの数を増やすことで視野を広げることについても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においては、研究費は研究成果発表費に主に充てる。
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