2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700577
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
廿日出 好 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90339713)
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Keywords | 画像診断システム / 地磁気MRI / 超伝導トランス / SQUID磁気センサ |
Research Abstract |
平成23年度は、超伝導方式の信号計測回路の設計・作製・評価を行った。環境磁気雑音をキャンセルするため、高温超伝導線材から構成される、差分型の軸型コイルを設計・作製し、入力コイルを介して高温超伝導SQUIDセンサと結合させた磁束トランス方式の計測回路を構築した。液体窒素(77K)で本回路の評価を行った結果、軸型コイル両端での抵抗は約1μΩ、インダクタンスは約18μΩとなった。また、計測回路のノイズ特性を評価した結果、渦電流シールドを回路に付与することで、ノイズレベル30μΦ_0/Hz^1/2が得られた。次に、上記計測回路を受信器として用いる超低磁場NMR/MRI装置の開発を行った。まずSQUID磁気センサ単体を受信器として用い、前分極磁場を用いるパルスシーケンスを開発し、上記計測回路の軸型コイル内に水ファントムを設置してプロトンNMR計測を行った。この結果、10mlの水を含むファントムから約50μTの静磁場中で2kHzのラーモア周波数をもつプロトンNMR信号を得ることができた。また、磁場勾配コイルを導入することで、水ファントムの1次元MRIを計測することができた。 平成24年度は、上記超低磁場NMR/MRI装置を、磁束トランスでNMR信号を計測し、結合したSQUIDセンサで読み出しを行う方式に改良した。感度と測定範囲が向上し、10mlの水を含むファントムから約30μTの地磁気中で1.2kHzのラーモア周波数をもつプロトンNMR信号を計測することが可能となった。次に、地磁気中で高温超伝導バルク円筒、およびドーム状底付高温超伝導バルク円筒の磁気特性を調べた。この結果、底のないバルク円筒では、磁気遮蔽効果は有するものの、円筒内部の磁束は外部磁束雑音の影響を受けノイズ低減に制限があることがわかった。一方、底付バルク円筒の場合、約一桁外部磁束雑音を低減できることが示された。
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Research Products
(8 results)