2011 Fiscal Year Research-status Report
カプセル型内視鏡を体外から駆動する共鳴駆動型超音波モータの開発
Project/Area Number |
23700582
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岡本 淳 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10409683)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Ultrasonic motor / Foil type motor / Capsule type endoscope |
Research Abstract |
本年度は,共鳴駆動型超音波モータの基盤要素となるコイル型モータの原理解明と基礎的な特性の測定に注力した.<コイル型モータの駆動原理について> コイル型モータは回転方向が進行波の進行方向と同一方向に回転することが観測されており,一般的な進行波型超音波モータの回転挙動と一致しない.駆動原理はこれまで未解明の部分が多く,本研究では有限要素法により導波路を超音波振動が伝播した際のコイルの変形解析を行った.SUS304製の外径0.8mm,内径0.7mmのコイルモデルをANSYSで生成し,26.8kHzの振動を伝搬させてシミュレーションを行ったところ,コイル表面の観測ポイントは振動伝搬の方向(順方向)へ回転することが確認され,実際の現象と一致した.これは,振動が本条件においてはガイド波の一種であるLamb波として,さらにそのモードの中でもSymmetric modeが支配的になっていることが示唆された.<コイル型モータの駆動特性> 上記シミュレーションで使用したコイルの実機を作成し,同条件で駆動実験を行った.ローターとステータの間のクリアランスは0.015mmが最適であり,その時の回転数は5,250rpmであった.また,クリアランスが0.005mm以下の場合は回転しなかった.また,導波路が屈曲した場合での駆動,水中での駆動も確認した.耐久性に関しては課題が残り,150分間の回転テストにおいて,ステータ表面上に摩耗が見られ,ステータ外径も変化したため,徐々に回転数も低下した.本課題に関しては,材質の変更や表面コーティング等の対策が必要と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
<超音波振動に共鳴するステータの開発> 超音波振動に共鳴するステータの開発については,既に評価は行っているものの,安定したデータを取得するにはまだ実験装置の改良の余地がある.今後,超音波振動の定量化を行っていき,データの安定化につとめ,研究を加速させていく予定である.超音波と共振する共鳴板はモード解析によってシミュレーションを行い,3タイプの共鳴板をワイヤ放電を用いて設計・製作し,すでに目的を達成している.回転数の評価については,現在進行中である.<配列型振動子を用いた集束超音波プローブの開発> 数10kHzの超音波を収束させるには,大型のプローブが必要なこと,また収束をさせなくても十分な出力が得られたことから,研究の方針を転換し,収束させるためのプローブの開発は行わないこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
<超音波振動に共鳴するステータの開発>カプセル型内視鏡外殻を共鳴板としたときのシミュレーションと解析を行い,最適形状の探索を行う.目標エネルギー変換効率:1%を目指す.<カプセル型内視鏡の開発>カメラ機能レスの原理確認モデル(1自由度)の開発を行うとともに,水中および生体(動物)内での駆動確認実験を行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
水中を伝搬する超音波強度の測定装置を購入し,共鳴現象の定量化を行い,データの安定化を測る.また,原理確認モデルの製作費に資金を使用する.
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