2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトルイメージング技術を用いたがん診断
Project/Area Number |
23700584
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永岡 隆 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (00367054)
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Keywords | ハイパースペクトラルイメージング / メラノーマ / 内視鏡 / 眼底 / 医療機器開発 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、実用型ハイパースペクトラルイメージャを用いた、メラノーマの診断支援に関する臨床研究を実施した。本研究に登録された症例数は実用型のみでも200症例を集積することに成功した。メラノーマ鑑別指標として開発してきたシステムの一部を改良。従来手法に用いていたSpectral AngleのEntropy値の算出に対し、各Spectral Angle値の度数に上限を導入した。このことによって、計測範囲のほとんどが正常皮膚であるようなごく早期のメラノーマに対しても、敏感にスペクトルの多様性を検出することが期待される。新旧の指標を比較した結果、これまでと同等以上の90%以上の感度を保ちながら、特異度も90%以上に上げることに成功。本システムを用いることで、無駄な生体検査をせずにメラノーマ以外をメラノーマ以外と判定することができるようになることから、医療費の大幅な削減に貢献することが期待できる。先行研究と比較しても、特筆すべき特異度の高さを誇っている。本年度も臨床現場でのトラブルは全く発生しなかったことからも、本システムの実用性の高さが証明されつつあると評価できる。 メラノーマ以外の分野へのハイパースペクトラルイメージング技術の応用として、本年度は特に内視鏡分野への応用を推進した。昨年度までに完成した内視鏡接続型ハイパースペクトラルイメージャを用いた動物実験を実施。静岡がんセンターの内視鏡科の医師にも同席いただき、装置の評価をしていただいた。新しく開発した装置は消化管内においてもスペクトルを計測できることを確認。医師からも現状の装置のままでもヒトへの応用は十分に可能であろうとの高い評価をいただいた。 本年度も引き続き広い分野において情報収集と成果発表を実施した。スウェーデンでの欧米人による臨床試験の準備が進められており、次年度以降実施される予定である。
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