2012 Fiscal Year Annual Research Report
熱凝固療法において正確・精密・焼灼中に凝固領域を把握するシステムの開発
Project/Area Number |
23700585
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 洋 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50424817)
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Keywords | 医用ロボット / ラジオ波焼灼療法 / 熱物性 / 粘弾性 / 温度シミュレーション |
Research Abstract |
近年,肝がんラジオ波焼灼療法(RFA療法)の使用率が増加する一方,超音波画像上で組織の凝固領域の確認が困難であるため,未焼灼に伴う癌再発や過剰な焼灼に伴う臓器損害などの問題が報告されている.そこで,RFAにおける温度分布シミュレータが開発されているが,温度と組織の凝固の関係を解明されていないため,組織が凝固に至る温度を提示できない.本研究では,RFA療法における組織の凝固領域提示システムの開発を目的とする.まず凝固領域を判定するには,治療中に凝固領域/非凝固領域の境界温度を判定する必要がある.本研究では,肝臓を構造するタンパク質が熱変性に伴い,組織全体が硬くなる現象に着目し,硬さを示す弾性率が凝固の指標であるという仮説を立て,弾性率の境界温度により,組織の凝固境界温度を導出する. 研究手法として,温度と弾性率の近似式を導出し,弾性率が増加し始める温度を計算する.弾性率の境界温度を計算するために,昇温弾性率測定実験で温度と弾性率の近似式を導出し,弾性率が増加し始める温度を計算した.実験は粘弾性測定試験器にて人間の肝臓に近い正常なブタ肝臓から切り取った直径2cmの試験片を温度制御可能な水浴条件下で,昇温させながら弾性率を測定した.今年度は時に昇温速度を変化させた際の肝臓の硬さの変化を測定した.実験結果より,昇温速度により硬さが変化することが実証された.このことから,凝固状態は,温度のみによって決まる変数ではなく,温度の動的な変化が影響する,という知見が得られた.
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Research Products
(6 results)