2012 Fiscal Year Research-status Report
医師・患者双方にとって手術全体の完成度を高めるトータルシステムの構築
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23700590
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
植松 美幸 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 主任研究官 (10424813)
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Keywords | 手術支援システム / ナビゲーション / シミュレーション / ステントグラフト |
Research Abstract |
医師,患者双方にとって役立つ手術支援システム全体のあり方を考えて進めている.24年度はスキルの高い医師が感覚的に捉えている内容を他の人にも伝えられる方法を模索した. 対象は弓部大動脈瘤に対するステントグラフトの留置術とした.ステントグラフト留置術はすでに画像支援により進められている.手技中の感覚や判断ポイントを医師への聞き取り調査などによって探りながら,他の支援形態可能性を提案する.ステントグラフト内部にはX線による画像として写るマーカが取り付けられている.手技中はC-arm CTの画像でマーカ位置が血管の分岐部に合っているか確認しているのが現状である. 大動脈の中でも弓部はねじれのある部位であり,瘤とそのねじれの関係には個人差がある.ステントグラフトがこめられたシースを挿入し,ステントグラフトを立体的に展開させていく過程は2次元の画像からはイメージしづらいとのことであった.そこで,ねじれの異なる2つの大動脈瘤模型を3次元プリンターで作製し,それを対象にステントグラフト留置術を行うシステムについて検討した. ステントグラフトには展開開始点となる1点とマーカ位置と同一の周上に3点の計4点に磁気式マーカを設置した.磁気式位置センサー(AURORA, NDI社)を用いて,シースに詰めたステントグラフトが挿入され,立体的に展開され,分岐部への適切な位置へ留置されるまでの過程を計測した.解析はMATLABを用いた.模型作製に用いたSTLモデルをPC画面上に再現し,シースの経路,同一周上にある三角形の展開をそこに重畳させた.操作者は1名であったため,個人間のスキル差は見出せなかったが,ステントグラフトの展開結果はファントムごとの再現性が高く,瘤の形状によって決まる可能性が見い出された.医師個人の頭の中でのイメージでなく,手技を体感しながら治療に関わる人たちが情報共有する方法が示せた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術前,手術中の支援方法についてはこれまで示してきたため,手術後やその先につながる方法の提案を行うことで全体のトータルシステムについてまとめていけると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
治療を受ける前のシミュレーションによるイメージ作り,治療中のナビゲーションによる支援を示してきたが,次年度は治療中のログを記録していく方法に取り組む.これらをうまくつなげることで,治療を受ける際の全体の流れをつかめるトータルシステムにつなげていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
映像機器のデジタル化によるログ取得のためのシステム構築は従来のアナログ時代の方法では難しいため,刷新が求められる.デジタル情報の記録方法に重きを置いた使用を考えている.
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[Presentation] A Surgical Navigation System for Aortic Vascular Surgery: A Practical Approach2013
Author(s)
M. Uematsu, K. Asato, T. Ichihashi, M. Umezu, R. Nakaoka, A. Matsuoka, S. Aomi, H. Iimura, T. Suzuki, Y. Muragaki, and H. Iseki
Organizer
35th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
Place of Presentation
Osaka
Year and Date
20130703-20130706
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[Presentation] TAAA Navigatorの開発と臨床的評価の実際2012
Author(s)
植松美幸,市橋琢弥,安里権也,梅津光生,松岡厚子,飯村浩,青見茂之,山崎健二,鈴木孝司,村垣善浩,伊関洋
Organizer
第21回日本コンピュータ外科学会大会
Place of Presentation
徳島
Year and Date
20121100
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[Presentation] 解剖学的特徴点計測における誤差評価についての実験的検討2012
Author(s)
安里権也,植松美幸,市橋琢弥,梅津光生,中岡竜介,松岡厚子,飯村博,青見茂之,山崎健二,鈴木孝司,村垣善浩,伊関洋
Organizer
第21回日本コンピュータ外科学会大会
Place of Presentation
徳島
Year and Date
20121100
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[Presentation] 弓部大動脈瘤用ステントグラフト留置過程のデータに基づく可視化に向けた初期的検討2012
Author(s)
市橋琢弥,植松美幸,安里権也,梅津光生,中岡竜介,松岡厚子,東隆,山崎健二,鈴木孝司,村垣善浩,伊関洋
Organizer
第21回日本コンピュータ外科学会大会
Place of Presentation
徳島
Year and Date
20121100
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