2011 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームへのリハビリテーションにおける組織一酸化窒素系の解明
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23700593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 大亮 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (50466570)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション / メタボリックシンドローム / 一酸化窒素 / 循環器・高血圧 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メタボリックシンドローム(MS)へのリハビリテーション(運動療法)の有効性の機序を明らかにするため、メタボリックシンドロームモデルにおける組織NO系への長期的運動の影響を解明することである。モデルとして、Zucker obeseラットを用いて、トレッドミル運動を20m/分、60分/回、5回/週、4週施行し、現在、解析中である。運動耐容能、各脂質パラメータ-が運動により改善することを確認している。心臓、腎臓、胸部大動脈、下肢骨格筋のNO系(NOSactivity,eNOS,nNOS,iNOS)と酸化ストレス関連酵素の組織における発現(ウェスタンブロット法およびRT-PCRによる検討)、血漿・尿のnitrite/nitrate(NOx)、蛋白等各種パラメーター測定、ELISA法によるインスリン測定は現在解析中である。 本研究の重要性としては、1)運動療法というリハビリテーションの代表的治療法を生理学的、組織学的、生化学的な手法を用いて多角的に検証する点、2)リハビリテーション領域で多くみられるMSに対する運動療法に焦点を絞り、その効果の機序を検証する点、である。本研究により、MSモデルでの長期的運動の有効性の機序が明らかになることで、降圧および脂質やインスリン抵抗性の改善作用とともに心臓、腎臓などの臓器を保護する運動療法が確立されると予想され、リハビリテーション分野で臨床応用も将来可能になると期待される。また、最低強度かつ最短時間の運動であっても運動耐容能向上を最大限促進できる効率的な運動療法を確立することにより、患者のQOLや治療法選択意欲にも配慮した、真の意味でのリハビリテーション医学の発展にも繋がると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者であった研究者(留学生)が、昨年の震災後に帰国したまま戻らず、協力者不在のため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Zucker obeseラットを用いたサンプルの解析を推進するとともに、対照とするZucker leanラットでの実験を速やかに開始し、比較検討の解析をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ラット購入費用、ウェスタンブロット法、RT-PCR法、ELISA法などの実験器具や抗体購入、成果発表の学会参加の旅費に使用予定である。
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