2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームへのリハビリテーションにおける組織一酸化窒素系の解明
Project/Area Number |
23700593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 大亮 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (50466570)
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Keywords | 運動療法 / メタボリックシンドローム / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームモデルラットにおいて、長期的運動が心臓、腎臓、大動脈、下肢骨格筋のNitric Oxide(NO)系へ与える影響を検討した。 平成24年度の研究成果:Zucker obese ラットとZucker lean ラットをそれぞれコントロール群と運動群に分け、運動群にはトレッドミル運動(20m/分、60分/回、5回/週)を8週間施行した。8週間後、各ラットにブドウ糖負荷試験を行った。また、メタボリックケージを使用して24時間蓄尿にて尿採取した。屠殺にて血液採取し、各群から心臓、腎臓、胸部大動脈、下肢骨格筋を摘出した。それら組織について、NOの合成酵素であるeNOS、nNOS、iNOSそれらに関わるとされるAkt、低分子量G蛋白および酸化ストレス関連酵素発現をウェスタンブロット法にて検討した。同じくNOS活性も検討した。その他、血清・尿の脂質や蛋白等各パラメーター測定、ELISA法によるインスリン測定、尿アルブミン測定、および酸化ストレス関連酵素のTBARS、8OHdG、8isoprostaneについても検討した。ブドウ糖負荷試験において、obeseラットにおいて、運動群がコントロール群と比較して有意に改善がみられた。その他のパラメーターについては現在解析中である。 期間全体を通じて実施した研究成果の概要:本研究により、メタボリックシンドロームモデルでの長期的運動の有効性の機序の一部が明らかになった。詳細は解析中であるが、eNOS,nNOS蛋白、NOS活性、尿アルブミン、TBARSが、改善もしくは増加する傾向である。今後、更に詳細に解明し、機序を解明する予定である。このことにより、降圧および脂質やインスリン抵抗性の改善作用とともに心臓、腎臓などの臓器を保護する運動療法が確立されると予想され、リハビリテーション分野で臨床応用も将来可能になると期待される。
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