2012 Fiscal Year Annual Research Report
高密度近赤外分光法を用いたリハビリテーション課題における脳機能ネットワーク解析
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23700597
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
浦川 将 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 客員准教授 (30445811)
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Keywords | 近赤外分光法 / リハビリテーション |
Research Abstract |
リハビリテーション動作時の脳活動を解析するため、近赤外分光法の計測プローブを高密度に配置したヘッドキャップを作成し、前頭葉の各部位の神経活動を詳細に測定できる測定法を開発した。これにより、従来の方法と比較して脳の各関心領域に位置する測定チャネルの数が増加し、測定データに対する信頼性を向上することが出来た。近赤外分光法を用いた研究課題として、手指機能のリハビリテーション課題として用いられるペグ動作に着目し研究を行った。簡易上肢機能検査(STEF)を使用し、手前に置いた小さな金属棒を右母指と示指で摘み、前方の小さな穴に入れるペグ課題を行わせ、課題時間20秒におけるペグの移動本数をペグスコアとした。動作を行わない安静時間をおいて、合計8回の課題を繰り返した。その結果、細い金属棒を小さな穴に差し込む動作を繰り返すことで徐々に素早い動作が可能となり、巧緻動作の繰返しによる学習効果が確認された。この学習効果は動作時の前頭葉機能と相関することがわかり、学習効果の高い被験者では、前頭葉各領域の活動上昇が促進されていた。特に内側前頭前野では、他の前頭前野領域と比較して動作開始後いち早く活動上昇していることが明らかとなった。さらに内側前頭前野の活動上昇は、運動前野、補足運動野、補足運動前野等の前頭前野各領域における活動上昇と相関があり、各領域間の相互連絡が示唆された。 本研究結果より、リハビリテーション動作時の学習効果には、前頭前野各領域の活動上昇が関与しており、特に内側前頭前野は重要な機能を担うことが示唆された。
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Research Products
(3 results)