2012 Fiscal Year Annual Research Report
心不全に伴う骨格筋萎縮に対するインプラント型治療的電気刺激の予防効果
Project/Area Number |
23700600
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 直人 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90584178)
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Keywords | 筋萎縮 / 電気刺激 / 心不全 |
Research Abstract |
【内容】心不全に伴う骨格筋の萎縮予防に対するインプラント型電気刺激の効果検証を試みた。1)心不全モデル動物の作製:ラットにモノクロタリンを投与することで肺高血圧症を惹起し、右心不全を誘発し、骨格筋が萎縮することを確認した。2)インプラント型電気刺激装置の開発:作製した電気刺激装置をラットの生体内に留置したところ、実験期間中にバッテリー交換の必要がなく、骨格筋を十分に刺激できる出力を確保できたものは、3×4cmサイズの電気刺激装置であった。しかし、このサイズでは実用性が不十分であるため、更なる小型化を試みつつ、経皮電極を用いて、骨格筋萎縮に対する電気刺激の効果検証を行った。3)心不全モデル動物に対する治療的電気刺激:電気刺激の実施に伴う麻酔処置の繰り返しは、心不全モデル動物の長期飼育を困難にした。よって、骨格筋萎縮に対する電気刺激の効果検証には廃用性筋萎縮モデル動物を用いた。4)骨格筋萎縮に対する電気刺激の効果検証:低周波による電気刺激は骨格筋の萎縮予防に有効であった。しかし、低周波による電気刺激では深層筋の刺激が困難であったため、変調波を用いた電気刺激を試みた。変調波を用いた電気刺激は、深層筋の萎縮予防に対しても効果的であった。電気刺激による骨格筋萎縮予防の作用機序には、ユビキチン・プロテアソーム経路を介したタンパク質分解の抑制が主に関与していた。 【意義】骨格筋の萎縮予防に対する電気刺激の効果を、その作用機序の一部から検証したことは意義がある。また、経皮電極では困難とされる深層筋の萎縮予防を変調波によって可能にしたことは、リハビリテーションの選択肢を増やすことに貢献しうると思われる。 【重要性】心不全患者の二次的な運動耐容能低下を予防するには、心不全を悪化させない、他動的な介入が望ましい。よって、治療的電気刺激のような、局所的かつ他動的な介入の開発は必要不可欠である。
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Research Products
(12 results)