2012 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を行っている造血器悪性腫瘍患者に対する新たな運動療法の開発と検証
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23700601
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 玲 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
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Keywords | 運動療法 / 悪性リンパ腫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、悪性リンパ腫の診断により化学療法を受けている患者において、①有用な運動療法を開発し、②運動療法を行うことが行わない場合と比較して、疲労感減少・身体活動量向上・健康関連QOL改善につながるのかについて検証することである。 平成23年度は、研究計画当初に追加し、末梢神経障害を有した患者の歩行障害を鋭敏に測定可能でかつ、外来でも測定可能な簡便なアウトカムの開発に取り組んだ。結果として、健常人と高齢者を対象に加速度・角速度ハイブリッドセンサを用いた新たな歩行解析法を開発し、その信頼性と妥当性を検証し、本研究に使用可能であることを明らかにした。 平成24年度は、悪性リンパ腫の診断により化学療法を受けている患者で、末梢神経障害を有している患者と有していない患者での違いを探索することにより、効果的な運動療法開発を行った。末梢神経障害を発症または増幅させる要因について、国内外の専門から意見を頂くとともに、介入研究実施時の協力を要請した。後方視的な観察から、末梢神経障害を有している患者はHbA1cやヘモグロビン濃度といった、代謝・循環障害を有している割合が多かった。このことから、化学療法を受けている患者への運動療法においては高強度の運動より中等度強度の運動が有効であることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実施予定施設では悪性リンパ腫において化学療法実施の患者における問題点が研究計画当初と異なっていた。そこで、実施予定施設での問題点が末梢神経障害によって起こる歩行障害と身体活動量の低下であると想定され、研究計画当初に追加し、末梢神経障害を有した患者の歩行障害を鋭敏に測定可能でかつ、外来でも測定可能な簡便な歩行解析の開発に取り組んだ。そのため、平成23年度の当初予定の研究内容に追加して実験を行った結果、進行が遅れた。そのため、平成24年度は、当初平成23年度に行う内容である悪性リンパ腫の診断により化学療法を受けている患者において有用な運動療法開発を行ったため、進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、悪性リンパ腫において化学療法実施の患者の運動療法の有効性を検証するために、アウトカムに当初予定していた疲労感や身体機能等に追加して、加速度・角速度ハイブリッドセンサを用いた歩行解析を追加したうえで、倫理委員会への申請、プレテストの実施、本試験を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、運動療法の有効性に対してプレテストを実施する予定である。しかし、予定サンプルが確保できない可能性もあり、国内外の専門家の意見を聞きながら共同研究要請を行う必要がある。 また、悪性リンパ腫において化学療法実施の患者において末梢神経障害を発症する要因、運動療法の介入効果について国内外の学会にて発表する。
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