2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の体幹姿勢と歩行の質(歩幅距離や速度など)との関係調査と歩行指導の開発研究
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23700604
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
榎 勇人 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (40598538)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 老化 / 立位姿勢 / 転倒 |
Research Abstract |
高知県室戸市の健診(平成23年10月20日~26日実施)に参加された45歳以上の364名のうち、杖などを使用せずに歩行をしている281名(男性95名、女性186名、平均年齢は68.70歳)を研究対象とした。 調査内容は、(1)体幹姿勢の写真、(2)Spinal Mouseのよる脊柱矢状面解析、(3)歩行解析機器(Gait Scan)による歩幅の距離・時間の評価と、(4)運動機能評価(UP&GOテスト、Functional Reachテスト)並びに(5)アンケート調査(下肢や腰の痛み・しびれ・手術の有無、過去1年以内の転倒歴)を行った。 結果、 Spinal Mouseの平均値(前屈が正、後屈が負の値で表示)は、直立姿勢:2.9±4.9°、前屈姿勢:96.2±18.3°、後屈姿勢:-20.2±10.5°であった。また、UP&GOテストの平均値は、7.57秒、Functional Reachテストの平均値は31.22cmであった。転倒歴の有無は、転倒歴あり33名、転倒歴なし191名、無回答57名であった。 さらに、Spinal mouseによる脊柱可動性の値と他の評価間の相関性を検討した結果、後屈姿勢での角度が小さい人ほど、年齢が高く、股関節・腰部・膝関節の痛み、下肢・下腿の手術歴、転倒歴を有する割合が多く、UP&GOテストでは有意に遅くなっていることが分かった。そして直立姿勢で前屈状態にある人ほど年齢が高く、下肢・腰部・股関節・膝関節・足首の痛みを持つ割合が高く、下肢の手術歴も有意に多く、UP&GOテストも有意に遅くなっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室戸市の検診に参加し、当初予定していた研究データの取得ができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
姿勢の評価及び、脊柱の可動性と歩行の評価を検討するとともに、歩行指導による効果も検討する。 さらに、今回計測した対象者の継時的姿勢変化を評価し、姿勢や脊柱可動性の変化と歩行や転倒歴など他の評価の変化との関連性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ取得および、データ処理のための人件費。および、データ解析のためのパソコンやソフト関連の購入。学会参加などの旅費に使用予定。
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