2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代イメージング法によるヒト神経筋セグメントの可塑性評価と運動療法の基盤構築
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23700612
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
谷口 圭吾 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (90381277)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 評価学 |
Research Abstract |
本年度の研究では、最新工学技術の超高速リアルタイム超音波エコーイメージング法を応用し、ヒト生体における単一筋内の組織弾性を非侵襲的に可視化し客観的に評価する可能性を探るとともに、筋組織の力学特性に及ぼす運動の影響を分析した。下腿三頭筋を対象とし、キロパスカル単位の絶対量で算出した弾性計測において、非常に高い測定値の再現性が確認でき、更に関心領域内で明瞭な弾性の空間分布のマッピングが可能であった。一方、筋の深層部や腱組織の弾性画像は十分な描出を得ることが難しい例もみられ、定量可能な対象領域は限定される可能性が予想された。また、本手法で捉える筋振動からの剪断波伝播速度に基づいて取得される組織弾性は筋線維の走行方向に影響される傾向があり、筋束が斜めに位置する羽状筋では筋の縦断面での撮像が妥当であることが明らかとなった。 運動療法が筋組織の力学的特性に及ぼす可塑的な変化を明らかにするため、腓腹筋外側頭・内側頭およびヒラメ筋を対象に、足関節の他動的背屈の影響や静的なストレッチングの効果を検討した。その結果、足背屈に伴う下腿三頭筋の弾性変化パターンから、荷重位での他動的な足関節背屈運動中における筋束領域の力学ストレスは3筋間で著しく異なる可能性のあることが示唆された。また、短時間の静的ストレッチング運動が腓腹筋内の局所弾性に及ぼす急性の影響を検討した結果、腓腹筋束部の弾性は施行後に低下するが、その効果は時間経過に伴って小さくなり、運動前の状態には15-20分以内に戻ることが明らかとなった。また、ストレッチングによる腓腹筋の力学的特性変化におけるタイムコースは腓腹筋外側頭・内側頭の2筋頭間で類似することが示された。今回の検討は、リハビリテーション領域における運動療法プログラムの新規開発や筋の硬さ(スティフネス)の定量評価法の構築に向けた基盤資料となり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リハビリテーションを展開する上で骨格筋の可塑性解明とその多面的な定量評価法の確立に向けて、研究目的の達成に影響がない範囲で現在までに研究内容の遂行順序が多少前後するものの、当初の研究目的で掲げた次世代イメージング法を用いた筋組織の粘弾性の可視化・定量化ならびに力学的因子に及ぼす運動の影響の検討について予定通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで取得した基礎資料を基に次世代イメージングの超高速超音波法による神経筋組織のスティフネスの定量評価法の確立に向けて、弾性ファントムを作製し妥当性の検証を更に進めるとともに、超音波ドプラ法による筋内の微小循環動態の定量評価方法を検討し、力学的・代謝的因子に及ぼす疾病、障害および運動の影響を包括的に分析してゆく。また、無侵襲イメージングの拡散テンソル画像法や機能的磁気共鳴画像法を用い、ヒト神経筋セグメントの3次元組織構造と機能的役割の解明に向けた予備実験を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に若干の未使用の研究費が生じた理由は、実験補助およびデータ解析処理の協力に要する時間が当初の見込み予定時間よりも短縮でき、謝金の実支出が少額となった為である。また、繰り越される研究費は翌年度に割り当てた研究費と合わせて、弾性ファントム作製やAD変換ボードに要する物品費に計上する予定である。他の旅費、謝金、その他の直接経費は交付申請書に記載した内容で当初の計画通り執行する予定である。
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Research Products
(4 results)