• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

内側前頭前野内の機能分化の解明と内側前頭前野機能の評価法の開発

Research Project

Project/Area Number 23700617
Research InstitutionSaitama Prefectural University

Principal Investigator

石岡 俊之  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (50548914)

Keywords内側前頭前野 / 情動 / リハビリテーション / モラル判断 / 行動神経科学
Research Abstract

本年度は,情動の意図的な操作のリハビリテーションへの活用を検討するために意図的な操作による情動変化と認知機能への影響や精神的疲労に対する影響を検証した.
(1)「笑いによる快情動の暴露時間と質の違いによる前頭葉機能への影響」若年健常者を対象とし,“笑い”の刺激映像の視聴を長時間と短時間視聴する2群に分け,更に笑いによる情動変化量によって各群を2群に分け合計4群に分類して“笑い”の映像視聴前後の前頭葉機能検査成績を比較検討した.結果,長時間“笑い”の情動の変化が大きい条件にて明らかに前頭葉機能成績が向上した(p=0.001).
(2)「表情操作による情動の変化と精神的疲労の軽減の関係」若年健常者を対象とし,精神的負荷課題前に笑顔の表情を作る前笑顔群,精神的負荷課題後に笑顔の表情を作る後笑顔群,笑顔の表情を作らない統制群に分け,精神的負荷課題を30分間実施した.結果,統制群,では疲労課題後に自覚症状調査票による精神疲労が増加していたが(統制群:p=0.04,前笑顔群:p=0.001),後笑顔群のみ精神的疲労課題前後において自覚症状調査票による疲労の増加がみられなかった(p=0.7).
2つの研究成果から,意図的な情動操作によって認知機能の向上や精神的疲労軽減へと繋げられることが示唆された.このことは,情動関連した内側前頭前野損傷による評価へと繋げる知見を得られた.またリハビリテーションを実施する前後に情動へ介入することは,リハビリテーション効果を向上させる手段としての活用が期待できる.
成果の公表として脳画像研究としてパーキンソン病の認知障害に関する安静時脳糖代謝の変化に関する研究を学会発表した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書に記載した「研究の目的」に対して他施設使用による脳機能画像研究の実施および神経心理学的研究の内惻前頭前野損傷例による検証が計画より遅れている.一方,今年度は健常者を対象とした意図的な情動介入による2つの研究を実施でき,その効果が示唆された.この成果は内側前頭前野損傷者へのリハビリテーション評価方法の開発だけでなく,リハビリテーション介入方法へと繋がる知見が得られたことは計画以上の進展といえる.よって,全体としておおむね順調に進展していると判断した.

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は,神経心理学的研究は,協力施設を拡大して募集をかけ内側前頭前野損傷例の参加者のデータ収集を加速させて,対照例として脳損傷例,健常者のデータ収集も年内継続し順次統計解析していく.脳機能画像研究は,研究を進めていくために提供施設の拡充を図り進める環境を充実させていく.また今年度から導入された本学にある機能画像装置での研究計画も追加して補完していく.最終年度として年度後半には,成果の公表に向けた報告書の作成,学会発表,論文作成の準備をしアウトリーチ活動を進めていく.
研究を円滑に遂行するための予算としてに昨年度までの残予算も含めて研究協力者への謝金,物品購入,成果公表費用(校正費,投稿費など),データ取得,研究相談および学会参加に対する旅費を計上する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

昨年度までにデータ取得を開始予定であった他施設利用による脳機能画像研究が遅れていることによる施設使用料,研究協力者への謝金の執行がされていないこと,内側前頭前野損傷例のデータ取得が滞っていることによるデータ取得に関する費用がないこと,海外への学会出張が出来なかったことが理由として挙げられる.
今年度は,脳機能画像研究が円滑に遂行されるように協力施設を拡充させていく予定である.また今年度から導入された本学にある機能画像装置での研究計画も追加して研究目的の補完を図る.内側前頭前野損傷者による神経心理学的研究の研究協力者も追加していく予定である.
研究計画を円滑に遂行するために昨年度までの残予算も含めて施設使用料,研究協力者への謝金を中心に計上する.その他に研究実施に必要な評価機器,評価用紙等の消耗物品の購入,成果公表に向けた論文作成費用(校正費,投稿費など),データ取得,研究協力相談および成果報告に対する学会参加などの旅費を計上する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] パーキンソン病における認知障害サブタイプの神経基盤: PETによる3年間縦断研究2014

    • Author(s)
      庄司裕美子, 西尾慶之, 馬場徹, 内山信, 横井香代子, 石岡俊之, 細貝良行, 平山和美, 福田寛, 青木正志, 長谷川隆文, 武田篤, 森悦朗
    • Organizer
      第16回日本ヒト脳機能マッピング学会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      20140306-20140307

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi