2011 Fiscal Year Research-status Report
腰部疾患者の負担軽減を目的とした体幹装具TrunkSolutionの開発と評価
Project/Area Number |
23700619
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
勝平 純司 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00383117)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 腰部負担 / 体幹装具 / 動作分析 |
Research Abstract |
本研究は腰部疾患を持つ者の姿勢の改善および腰痛軽減を目的とした抗力を具備した継手を有する体幹装具Trunk Solution(以下TS)を腰部疾患者に使用させ,その効果を三次元動作分析装置から得られる腰部関節モーメント,筋電計から得られる腰背部筋活動および超音波診断装置から得られる体幹深部筋を指標として評価し,その実用化を目指すものである.現存の体幹装具は,腰部を圧迫して固定するもの,胸部,恥骨,背部の三か所で固定する装具に大別される.またこれらの装具を用いても主観的な腰部負担は軽減するものの,腰部モーメントや筋活動には変化がなく,体幹深部筋の評価はなされていない.一方,本研究で開発評価を実施するTSは抗力を具備した継手を有し,抗力の強さを調整して段階的に胸を前方から押す力を与えることで,腰部負担を軽減させる新しいコンセプトの体幹装具である.またTSを高齢者と腰部疾患者に使用させ,複数の計測機器を用いた評価を実施することで実際の効果と必要な機能を明らかにし,改良を加えた上で実用化につなげることができる.平成23年度の研究成果として,まず本学関連臨床施設にて腰部疾患者に対するTSの試用を行い,TSの有無による腰部負担の主観的な評価,装着感と脱着容易性の評価を実施した.その後,TSの開発と大幅な改良を行い装着感と着脱容易性を高めるとともに,継手抗力を三次元動作解析装置と同期させて計測するシステムを構築した.すでに改良したTSを使用した計測を開始しており,これまでに健常高齢者20名を対象として三次元動作分析装置と筋電計を用いた計測を終了し,データ解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連臨床施設における体幹装具の評価の後,装具の開発と改良が概ね完了し,装具の継手が発揮する抗力の計測も可能となった.また改良を加えた装具を使用して高齢者20名の計測がすでに終了し,データ解析を進めている.また,Trunk Solutionの開発,改良および評価結果の一部をすでに複数の学会で発表し,学会誌に論文も掲載させている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は腰部疾患者を対象とした計測を進めていく予定であるが,脊柱管狭窄症者にTSを装着したところ,腰部が伸展することで痛みを訴えるものがいたため,脊柱管狭窄症者には適用が難しい可能性がある.また,高齢の腰部疾患者を対象とした場合,腰部疾患だけでなく変形性膝関節症などの膝関節疾患を合併するものが多い.被験者数を増やすことが難しい場合は,少ない被験者でより詳細な分析を行うか膝関節疾患者も対象に含める可能性がある.現状では健常高齢者の計測が順調に進んでいるため,健常若年者の計測や若年の腰痛者に対する計測を行い,被験者数を増やしていくことも検討している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測に必要な設備はほぼ整ったが,20名の高齢者の計測を経て計測用体幹装具の改良が必要となったため,装具設計の修正を依頼する予定である.また,装具改良の相談や実験データ解析の相談などで,東京と大阪(川村義肢株式会社)への旅費が必要となる.今後高齢者の計測を継続して行っていくため,計測に必要な消耗品の購入が必要となる.本体幹装具の開発について2013年2月にインドで行われる国際義肢装具学会にて発表予定であるため,学会参加費用が必要となる.
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Research Products
(4 results)