2012 Fiscal Year Annual Research Report
腰部疾患者の負担軽減を目的とした体幹装具TrunkSolutionの開発と評価
Project/Area Number |
23700619
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
勝平 純司 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00383117)
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Keywords | 体幹装具 / バイオメカニクス / 腰部負担 |
Research Abstract |
背景と目的:腰部疾患者への有効な介入手段としては,外科的な手術と合わせてコルセットに代表される体幹装具の処方が行われている.しかしながら,体幹装具は体幹を固定してしまうため,長時間使用すると腰部関節の可動性が奪われ,体幹周囲筋が萎縮してしまうなどの問題が生じる.本研究は腰部疾患を持つ者の姿勢の改善および腰痛軽減を目的とした抗力を具備した継手を有する新たなコンセプトの体幹装具Trunk Solution(以下TS)を開発し,その腰部負担軽減効果と体幹深部筋への促通効果を評価することである. 方法:腰部疾患者を有する複数の病院にTSの試作品を配布し,脱着の難しさ,動作への干渉,装着時の不快感等の問題点を抽出した.これらの問題点を解決するために,試作品を大幅に改良し,脱着の容易性を高め,動作への干渉を少なくし,抗力の調整機構を持つ改良版TSを作製した.改良版の実験用TSではBluetoothを用いて計測用PCとTSに取り付けた発信機を接続した.これにより,TSが胸郭部を押す力を三次元動作分析装置と同期させてリアルタイムで計測し,胸郭を押す力を加味して腰部負担を計算することを可能にした.三次元動作分析装置から得られる腰部関節モーメント,筋電計から得られる腰背部筋活動および超音波診断装置から得られる体幹深部筋を指標としてTSの腰部負担軽減効果と体幹深部筋への促通効果の評価を実施した. 結果:TSを装着した立位および歩行において腹筋モーメントが有意に増加し,背筋モーメントは減少した.また,脊柱起立筋の筋活動も減少した.加えて,TS装着時には体幹深部筋である腹横筋の筋厚も有意に減少した. 結論:TSの装着は背筋群の負担を軽減する一方で体幹深部筋を含めた腹筋群の活動を高めることが明らかとなった.背筋群の負担を軽減し,腹筋群の活動を高めるTSは,腰部疾患者にとって有用な装具となる可能性が高い.
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Research Products
(5 results)