2012 Fiscal Year Research-status Report
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23700621
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
斉藤 琴子 帝京平成大学, 地域医療学部, 講師 (20599758)
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Keywords | 歩行 / 相対タイミング |
Research Abstract |
2011年度は健常若年者を対象とし,30~180(beats/min)と極めて遅いテンポから速いテンポまで同調した歩行の相対タイミング(全動作時間においてある動作が生じるタイミングの時間の割合)に関して検討した。脳血管障害片麻痺者(以下片麻痺者)は障害に伴う歩行能力低下から,テンポの上限値が対象者によって異なるため,設定を考慮する必要がある。この理由により,2012年度は発症後5年以上経過した在宅慢性期片麻痺患者を対象に,テンポに同調するのではなく,低速・快適・最大という3つの任意の速度で歩行することを課題とした。測定方法として,フットスイッチ(第一中足骨底および踵部に貼付)を用いて歩行周期の立脚期および遊脚期の時間を計測し歩行周期の立脚相の時間比(%)を求めた。また,ストップウオッチを用いて10m 歩行速度を計測し歩行速度を求めた。その結果,任意の速度が低速・快適・最大と異なるため絶対的な速度が異なることは明白であるが,一定であると言われている相対的な時間比も有意に異なることが明らかとなった。症例数が2例と少ない点と主な評価項目が時間比のみであった点から,予備実験的な研究であり今後人数を増加して検討する必要があることがわかった。また,片麻痺者の歩行時のテンポの上限は対象者により異なるが,設定値を更に検討し,任意ではない形での計測も検討する必要がある。筋電計の調整が進まず時間を要したが,微調整を重ね計測可能となった。今後計測予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
両親が相次いで入院し,その後重度の介護が必要な状態となった(要介護5)。遠隔地に居住している両親の主介護者が私であり仕事と介護の両立で精一杯であったため,研究に遅れを認めている。 研究の目的の達成度合は,1/3程度である。対象者のうち,健常若年者の測定はおおよそ終了しているため,今後高齢者,片麻痺者の測定を進めていく。達成度合いが低い理由は,介護による研究の遅れと健常若年者の測定を行った結果追加実験が必要であり,そのため測定・解析プログラムの作成が必要なことが明らかとなったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
相対タイミングを測るために,筋電図のみならず角度計を用いて評価する必要があることがわかったため,今後は歩行時のフットスイッチによる時間の抽出,筋電,関節角度からの3点について評価を進めていく。更に,足圧分布型トレッドミルを用いて,歩行時の低速・快適・最大の3つの任意の速度で歩行を施行し,その際の歩行における相対タイミングについて検討を行う予定である。追加実験を行うため,測定プログラムおよび解析プログラムを作成を至急行う必要がある。 今後の具体的な計画として,6月から若年者は大学内で公募し帝京平成大学幕張キャンパスで測定を行う。高齢者はシルバー人材センターで募集し幕張キャンパスで測定を行う。片麻痺者は国立病院機構村山医療センターで測定を行う。健常者および高齢者については8月までに測定終了予定である。片麻痺者については,測定対象者の入院状況次第であるが,積極的に公募を行う。データ測定を可能な限り速やかに行い,10月をめどに論文作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者謝礼金,消耗品に用いる予定である。 被験者謝礼金は,健常若年者は大学内で募集を行い雇用,高齢者はシルバー人材センターで募集し雇用,片麻痺者は国立行政法人村山医療センターにて募集を行う。 消耗品は消毒用のアルコールおよび脱脂綿,使い捨て電極などである。
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Research Products
(2 results)