2012 Fiscal Year Research-status Report
血流制限下で行う他動的膝関節伸展・屈曲運動による筋肥大および筋力増強効果
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23700627
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
窪田 敦之 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助手 (20569339)
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Keywords | 筋力トレーニング / 血流制限 / 他動的運動 |
Research Abstract |
自ら関節を動かすことや筋を収縮させることが困難な状況や、高負荷のトレーニング実施が困難な状況であっても、十分な筋力トレーニング効果が得られる方法の一つとして、血流制限下で行う他動的運動の効果について検証した。その結果、他動的膝関節伸展・屈曲運動をを血流制限下で行うことで筋肥大が生じ、筋力増加が得られる可能性が示された。 さらに、血流制限下で低強度トレーニングを行う場合にも、通常の高強度トレーニングにみられるような、トレーニング効果がその動作や筋収縮様式に依存する可能性があるのか検証した。対象者は12名の健常学生で、コントロール群と血流制限群の2群に分類した。トレーニング期間は8週間とし、トレーニングは両群とも肘関節屈曲運動で、利き腕は遠心性収縮下で行わせ、非利き腕は求心性収縮下で行わせた。その結果、コントロール群では両収縮とも筋力増加はみられなかったが、血流制限群では両収縮とも筋力増加がみられた。しかし、遠心性収縮では遠心性筋力のみが増加し(実験前:54.0 ± 17.4 N・m、実験後:59.6 ± 20.1 N・m、p <0.05)、求心性収縮では求心性筋力のみが増加した(実験前:28.8 ± 12.2 N・m、実験後:32.6 ± 12.1 N・m、p <0.05)。つまり、低強度のトレーニングを血流制限下で行わせる方法においても、その効果が動作(筋収縮様式)に依存する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血流制限下で行う他動的運動が筋肥大や筋力増加に有効である可能性が示された。また血流制限下で行う低強度のトレーニングであっても、その効果が動作や筋収縮に依存する可能性が示された。これらの結果から、今後調査を進める上での課題や留意点等が明らかとなった。 そのような状況の中、現在、運動週間のない対象者で再調査を実施しているため、本研究計画はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
運動習慣のない健常男性を対象に、週4回の他動的運動を8週間行わせることで筋横断面積や筋力が変化するのかを調査する。さらにその後、血流制限下で他動的運動を行わせることによる筋横断面積や筋力の変化についても調査し、それらの比較から血流制限下他動的運動の効果を検証する。また、これらの検証結果を考察する際には、トレーニングが動作や筋収縮様式に依存する可能性を踏まえて進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
再調査を行うために被験者協力に対する謝金が必要である。また、国内外の学会に参加および発表することで、血流制限に関する最新の情報を入手し、本計画を遂行する上での問題点等について検討し、考察を行う際の参考とする。さらには、24年度の研究結果をまとめて学術論文として発表する。
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