2011 Fiscal Year Research-status Report
呼吸筋群の誘発筋音図を用いた新しい呼吸機能検査法の開発
Project/Area Number |
23700628
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡辺 彰吾 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (20548341)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 呼吸筋 / 誘発筋音図 / COPD |
Research Abstract |
本研究では,簡便で再現性の良い新しい呼吸機能検査法を開発するため,呼吸筋群(横隔膜筋,腹壁筋)の誘発筋音図に着目した.本手法は,従来のスパイログラムによる呼吸機能検査法とは異なり,皮膚表面から電気刺激を行い,呼吸筋群の誘発筋音図を測定するだけで良い.そのため,被験者に強制呼吸の努力を強いる必要がなく,臨床検査技師の声かけ技術にも左右されないため,正確で再現性の良い呼吸機能検査を実施することが可能となる.本手法は,現代問題となっている長期間の喫煙による慢性閉塞性呼吸器疾患(COPD)の予防,早期発見,早期治療にも役立つことが期待される.本研究の目的は,「横隔膜および腹壁筋の誘発筋音図を用いた簡便かつ再現性の良い新しい肺機能検査法の開発」の提案であり,本年度はその可能性を検討するために,健常者を対象として,横隔膜および腹壁筋の誘発筋音図とスパイログラムの各肺機能パラメータ (肺活量,1秒量,1秒率)を測定し,誘発筋音図の有用性について考察した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究担当者は臨床検査技師国家資格を持ち,誘発筋音図および呼吸機能検査に関しての充分な知識および測定技術を有しているため,基礎実験に関して繰り返す必要がなく,スムースに実験に移行できたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験を通じて,健常者についての誘発筋音図と各呼吸器パラメータ(肺活量,1秒量,1秒率)との関係性について考察できたため,次年度以降は高齢者を対象として,呼吸筋群の筋力低下とスパイログラムの各肺機能パラメータの関係について考察する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の繰り越し金(約1,790,000円)が生じたのは,もともと購入を予定していたスパイロメータやA/D変換器などの物品を購入する必要がなくなったからである.次年度は,最新の呼吸器検査についての学術調査を目的として,欧州呼吸器学会(ERS VIENNA2012)への参加を予定しているが,その他にも研究成果に応じて国内・国際学会への参加も考慮している.これらの費用として600,000円を計上する.また,その他にもスパイロメータおよび誘発筋音図の消耗品,データ解析のためのソフトウェア開発,さらに必要に応じて被験者への謝金支払い等で1,690,000円を計上している.
|