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2012 Fiscal Year Research-status Report

急性期~亜急性期脳卒中患者に対するrTMS治療

Research Project

Project/Area Number 23700630
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

佐々木 信幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60328325)

Keywords経頭蓋磁気刺激 / 反復性経頭蓋磁気刺激 / 脳卒中 / 急性期 / リハビリテーション / 上肢麻痺
Research Abstract

【目的】前年度の研究において反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は発症早期脳卒中の上肢麻痺にも有効であり、その効果は患側高頻度(HF-rTMS)の方が健側低頻度(LF-rTMS)よりも高い可能性を報告した。今回その2種の刺激を同時に行う両側rTMS(BL-rTMS)とHF-rTMS単独との効果を比較した。【対象と方法】発症15日以内の片側大脳脳梗塞・脳出血患者46名をHF-rTMS群26名、BL-rTMS群20名に分けた。単発刺激により健側の示指屈曲が最も強い点を健側刺激部位、その左右対象部位を患側刺激部位とし、刺激強度は示指屈曲が得られる最低出力の90%とした。5日間連続して、HF-rTMS群には患側刺激部位に対し10Hz・10秒間の刺激を1分おきに10回、BL-rTMS群には健側刺激部位へ1Hz・50秒間の刺激と患側刺激部位へ10Hz・10秒間の刺激を交互に10回ずつ施行した。5日間の介入前後で手指Brunnstrom stage(BRS)、握力(GP)、30秒間に可能な手指屈曲回数(TAP)を測定し、その変化量を2群間で比較した。【結果】手指BRS変化量はHF-rTMS群0.7±0.7に対しBL-rTMS群1.5±0.9(P=0.001)、GP変化量はHF-rTMS群2.5±3.5kgに対しBL-rTMS群4.5±4.6kg(P=0.07)、TAP変化量はHF-rTMS群9.6±10.0回に対しBL-rTMS群14.3±11.3回(P=0.11)であり、特にBRSの改善はBL-rTMS群で有意に高かった。【考察】HF-rTMSとLF-rTMSは機序が異なるため発症早期の健側・患側大脳活動性によって効果に差があることが推察される。しかしBL-rTMSではその両者の特性を有し、更にそれぞれの効果を増幅するため、より大きな効果が得られたと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定通り1年目でrTMSが急性期脳卒中にも有効であることを示し、RCTデザインのプロトコールで急性期にはLF-rTMSよりもHF-rTMSの方が効果が高いことを世界で初めて報告した。
2年目はさらにそれを進めて、両側大脳に施行するBL-rTMSを世界で初めて急性期脳卒中患者に適用し、HF-rTMSに比し同等以上の効果があることを確認した(論文はまだアクセプトされていない)。
結果については日本脳卒中学会総会、日本リハビリテーション医学会学術集会総会、全国自治体病院学会などでの発表や、英語・日本語論文にて報告している。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究で急性期脳卒中の上肢麻痺に対して特にBL-rTMSが有効であることが示されたが、BL-rTMS施行のためにはrTMS機器も2台、それを稼働させる電気設備も必要であり、ハード面の制約が大きい。また、頭部にコイルを同時に2つ設置することは物理的に不可能であり、全て徒手的に交換しなければならない等マンパワーも要する。
そこでより現実的な方法として、rTMSを2台ではなく、同じく大脳神経活動性を制御可能なtDCS(経頭蓋直流電流刺激)とrTMSを併用する方法を考案している。tDCSであれば電池駆動であり、頭表に設置したまま別方にrTMSを打つことも可能である。
tDCS+rTMSがBL-rTMS同等の改善を寄与するかどうか調べたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

英語論文をH24年度中に投稿する予定であったが、非常に参考になる新たな論文が報告されたため、それを参考文献とし書き直しを行ったため遅延、それに伴い予定していた論文校閲等の予算執行を延期した(未使用額99663円)。5月末~6月上旬には投稿可能になる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 発症早期脳卒中上肢麻痺に対する患側高頻度rTMSと両側(患側高頻度+健側低頻度)rTMSとの効果の比較-第二報-2013

    • Author(s)
      佐々木信幸
    • Organizer
      第50回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京国際フォーラム
    • Year and Date
      20130613-20130615
  • [Presentation] 治療後ではなく治療開始時からの急性期リハビリテーション2013

    • Author(s)
      佐々木信幸
    • Organizer
      第27回日本外傷学会総会・学術集会
    • Place of Presentation
      ホテルマリターレ創世久留米
    • Year and Date
      20130523-20130524
    • Invited
  • [Presentation] 発症早期脳卒中上肢麻痺に対する患側高頻度rTMSと両側(患側高頻度+健側低頻度)rTMSの効果の比較2013

    • Author(s)
      佐々木信幸
    • Organizer
      第38回日本脳卒中学会総会
    • Place of Presentation
      グランドプリンスホテル新高輪
    • Year and Date
      20130321-20130323
  • [Presentation] 発症早期脳卒中に対する患側高頻度反復性経頭蓋磁気刺激(HF-rTMS)の効果の差の原因2012

    • Author(s)
      佐々木信幸
    • Organizer
      第49回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • Year and Date
      2012-06-01
  • [Book] 到来 二人に一人脳卒中時代 脳卒中のリハビリにおける反復磁気刺激療法2013

    • Author(s)
      佐々木信幸
    • Total Pages
      0
    • Publisher
      南江堂

URL: 

Published: 2014-07-24  

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