2012 Fiscal Year Annual Research Report
関節痛を有する高齢者のノルディックウォーキング実施方法の開発と介入効果の検証
Project/Area Number |
23700636
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
地神 裕史 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (30468970)
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Keywords | ノルディックウォーキング / 運動療法 / 変形性股関節症 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年愛好家が急増しているノルディックウォーキング(以下、NW)が関節痛予防や運動器の機能向上に有用か、またどのような方法で実施すればより効果的か検証することである。本研究はより効果的なNW実施方法確立のための「基礎的研究」と、基礎的研究から明らかとなった実施方法で実際に介入を実施する「介入研究」に分かれている。 基礎的研究は主に平成23年度に実施した。基礎的研究では健常成人を対象にポールを突く強さや突き方を変化させた際の上・下肢・体幹の筋活動や呼吸循環機能、体幹動揺などの身体への影響を検証した。その結果、最も効率的な筋活動が得られるNW実施方法は体重の10%程度でポールを地面位垂直に突く実施方法であることが明らかになった。また、体重の10%の強さでポールを突くNWと通常歩行を比較した研究において、最大酸素摂取量や心拍数などがNWにおいて有意に高い値となった。歩行時の体幹の左右の動揺に関してはNWを実施した際に通常歩行よりも有意に軽減されることが明らかとなった。 一方、介入研究は主に平成24年度に実施した。介入研究は関節痛(変形性股関節症)を有する対象者に対して介入群と対照群を分けた無作為比較試験を実施し、NWが関節痛を有する対象にも効果的であるかどうかを検証した。その結果、介入群では介入後に6分間歩行距離とSF36における「痛み」の項目が有意に改善した。 これらの結果からNWは関節痛を有する患者においても、正しい実施方法で行うことで痛みを増悪させることなく歩行能力や歩行耐久性の維持改善、歩容の改善が得られることが明らかとなった。 これらの一連の研究から、NWは実施方法によっては関節痛を有する高齢者でも安全に行える運動であることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)