2012 Fiscal Year Annual Research Report
動脈スティフネスと運動時脳血流との関係―脳循環を考慮したリスク管理基準の作成―
Project/Area Number |
23700637
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
椿 淳裕 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50410262)
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Keywords | 近赤外線分光法 / 大脳皮質 / 酸素化ヘモグロビン濃度 / 動脈スティフネス |
Research Abstract |
本研究の目的は,近赤外線分光法による大脳皮質の酸素化ヘモグロビン濃度変化の計測において,動脈スティフネスの程度が酸素化ヘモグロビン濃度変化にどのように影響するのかを明らかにし,早期リハビリテーションにおける脳循環からのリスク管理指標を作成するための基礎的な知見を得ることである. 同意の得られた健常成人を対象に,動脈スティフネスの指標として血圧脈波速度(pulse wave velocity; PWV)を求めた.その後運動負荷強度を統一するため自転車エルゴメータを用い下肢ペダリング運動による運動負荷試験を行い,最大酸素摂取量を求めた.この最大酸素摂取量の30%(30%VO2max),50%(50%VO2max),70%(70%VO2max)の負荷量で運動を実施し,この間の大脳皮質酸素化ヘモグロビン濃度(O2Hb)を,脳酸素モニタを使用し,国際10-20法によるCzを基準として送光プローブと受光プローブを配置して測定した.また運動中には,呼吸代謝測定装置により酸素摂取量(VO2),二酸化炭素排泄量(VCO2)をbreath by breathで測定した.運動中の心拍数(HR)および平均血圧(MAP)は,左第III指に装着した連続血圧・血行動態測定装置により,beat by beatにて計測した.また,前額部にはレーザードップラー血流計を設置し,皮膚血流を測定した. その結果,PWVは609.5±33.7 cm/msであり,正常範囲内であった.運動時の変化については,運動強度が高くなるにつれて,VO2,VCO2,HR,MAP,SBFは増加した.一方O2Hbは,70%VO2maxにおいて減少を来たした.高強度運動時には様々な因子が複雑に関連し,動脈スティフネスがどの程度影響しているかを明らかにするには至らなかった.
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Research Products
(9 results)