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2011 Fiscal Year Research-status Report

拮抗筋条件収縮における筋出力発揮増強の効果

Research Project

Project/Area Number 23700639
Research InstitutionHealth Science University

Principal Investigator

上村 孝司  健康科学大学, 健康科学部, 助教 (30580609)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords筋力 / EMG / リハビリテーション / 臨床
Research Abstract

本研究は、ヒトにおいて効果的な筋出力増強の手段として拮抗筋条件収縮のメカニズム及びそのプロトコルの開発を行い、マヒ患者へのリハビリテーションの効果に関して明らかにすることを目的としている.平成23年度は研究計画に従い,健常者における拮抗筋条件収縮での筋出力増強に関する神経生理学的検証を行った.その結果,拮抗筋条件収縮における筋出力,特に力の立ち上がりの増加は神経的要因の影響によることが示唆された.また,誘発筋電図を用いてH波の測定を行ったところ,ヒラメ筋H波の振幅の増加が見られ,このことからも拮抗筋条件収縮後の主動筋活動増強に神経的要因が影響を与えていることが示唆された. これまで,拮抗筋収縮後の主動筋活動増強は筋の弾性エネルギーの影響などが主動筋活動増強の根拠として考えられてきた.また一方で,マヒ患者等への促通手技としても拮抗筋条件収縮は行われ,神経生理学的な観点から筋出力の増強があると考えられてきた. 本研究の結果から,反動動作を用いずに拮抗筋条件収縮を行った場合でも主動筋活動増強の効果が得られたことから,リハビリテーション等でのマヒ患者の筋力回復や筋の再学習のために有効な基礎的資料となり得ると考えられた.また,神経的要因による増強を明らかにしたことの意義は大きいと思われる. 平成23年度の研究結果は,「拮抗筋条件収縮による主動筋活動増強」という題目で第24回日本トレーニング科学学会において発表を行った.また,平成24年7月に17th European College of Sport Scienceにおいて「Potentiation of agonist muscle activities by antagonist conditioning contraction」という題目で発表する予定である.現在論文作成を行いながら,7月の発表の後,学会誌に投稿予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画では,平成23年度は健常者における拮抗筋条件収縮パターンの構築であった.しかしながら文献調査等を進めていくうちに,神経生理学的観点から最大努力での拮抗筋収縮を行うこと,拮抗筋収縮を伸筋で行うこと,ゴルジ腱器官のIb抑制を考えて,拮抗筋収縮は1秒までが効果的であることが明らかとなった.そのため,拮抗筋条件収縮の構築は,拮抗筋収縮は伸筋が行うこと,拮抗筋収縮は最大努力で行うこと,拮抗筋収縮は1秒までとすることの3つがより効果的に主動筋活動増強を導く拮抗筋収縮パターンであると考えられた. 上記の内容をふまえた実験計画において,足関節底背屈動作において筋出力,筋活動電位,誘発筋電図によるH波の解析を行った.その結果から,健常者での誘発筋電図の波形パターンや神経的要因の促通動態を観察することができた.また,平成24年度分の計画であった健常者での神経的要因の観察も行うことができ,健常者における拮抗筋条件収縮パターンの文献的考察による構築も含め達成度はおおむね順調であると考えられる.

Strategy for Future Research Activity

平成23年度では健常者における拮抗筋条件収縮による主動筋活動増強の神経的要因の一端を明らかにしてきた.平成24年度はマヒ患者における拮抗筋条件収縮の効果を検討する予定であったが,勤務校が変わったことによりマヒ患者確保の困難や実験設備の不足から,研究計画を変更し健常者における拮抗筋条件収縮の臨床での応用を一般人やスポーツ選手を対象に行なう予定である.また前任校と連携し,条件が合えば前任校付属のクリニック等を利用してマヒ患者での測定を計画している. 健常者での臨床的な応用としては,スポーツ選手を対象とした拮抗筋収縮による筋出力増強の即時的効果を,ウエイトトレーニングなど通じて行なっていく予定である.被験者は他の共同研究先の国士舘大学の体育会系学生を対象とする.それらの結果を国内外の学会で発表するとともに,論文作成を行い海外の学会誌に投稿していく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度の研究費は,消耗品などの購入を安価なものにしたことや,旅費の削減により19,409円繰り越すこととなった.それをふまえ,データ解析のためのPCの購入や臨床データ採取のための実験機材や消耗品購入に使用する予定である.また,平成24年度は特に拮抗筋条件収縮の神経的要因を検討する目的として筋電図を購入予定である.その理由として平成24年度から勤務校の変更があり,実験設備の不足しているためである.さらに7月の17th European College of Sport Scienceへの参加費用に使用予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 拮抗筋条件収縮による主動筋活動増強2011

    • Author(s)
      上村孝司
    • Organizer
      日本トレーニング科学会
    • Place of Presentation
      早稲田大学
    • Year and Date
      20111105-06

URL: 

Published: 2013-07-10  

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