2011 Fiscal Year Research-status Report
冷刺激や温刺激はマクロファージの動態を変化させ,筋損傷からの回復を促進するか?
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23700640
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
縣 信秀 浜松大学, 保健医療学部, 助教 (00549313)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 筋損傷 |
Research Abstract |
再現性のある筋損傷モデルラットを作製するための遠心性収縮条件を決定し、損傷からの回復過程の変化を組織学的、生理学的側面から評価した。再現性のある筋損傷モデルラットを作製するための遠心性収縮条件の決定:ラット前脛骨筋に対して、いくつかの角速度で遠心性収縮を行った。遠心性収縮24時間後にエバンスブルーを投与し、遠心性収縮48時間後に前脛骨筋を採取し筋損傷量を評価した。また、遠心性収縮前と遠心性収縮48時間後に足関節背屈筋群の等尺性収縮時の足関節トルクを測定した。その結果、筋損傷量の再現性が高い筋損傷モデルを作製するための遠心性収縮条件を決定できた。損傷筋の組織学的、生理学的評価による経時的変化:ラット前脛骨筋に対して、遠心性収縮を行い、遠心性収縮後に経時的に足関節トルクの測定をし、その後に、前脛骨筋を採取した。凍結横断切片を作製し、developmental myosin heavy chain(D-MHC) と dystrophin (dys)染色を施し、D-MHC陽性線維と dys陽性筋線維の横断面積と数を測定した。その結果、筋損傷後の回復過程について、Dystrophin 陽性筋線維横断面積の平均値は経時的に大きくなることが分かった。そして、損傷からの日数経過に伴う小径筋線維の発現とその筋線維の成長、D-MHC陽性筋線維数の割合の増減、足関節背屈トルクの増加が互いに関連していく様子が検出できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筋損傷からの回復過程におけるマクロファージの動態を評価するために、CD11b抗体、F4/80抗体、CD64抗体、CD163抗体、CD206抗体を用いた免疫組織染色を行う予定だったが、いくつかの抗体で、特異性を確認するのに時間がかかってしまったため、筋損傷からの回復過程における組織学的評価で、マクロファージの同定を行う事が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、前年度までに行う予定であった筋損傷からの回復過程におけるマクロファージの動態について組織学的な評価を行う。マクロファージの動態の組織学的評価が終わり次第、平成24年度に行う冷刺激や温刺激が筋損傷からの回復を促進するかどうかを明らかにする実験に取り掛かる。マクロファージの抗体については、おおよそ特異性の確認ができているので、平成24年度の実験計画に大きな変更は無い。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額として282,202円発生した。この額のほとんどは、平成23年度末の学会参加にともなう旅費と、平成23年度末に発注し、平成24年度に納品される物品に係る経費である。
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