2012 Fiscal Year Research-status Report
冷刺激や温刺激はマクロファージの動態を変化させ,筋損傷からの回復を促進するか?
Project/Area Number |
23700640
|
Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
縣 信秀 浜松大学, 保健医療学部, 助教 (00549313)
|
Keywords | リハビリテーション / 筋損傷 / ラット |
Research Abstract |
筋損傷に対する理学療法として、冷刺激が用いられる。しかし近年、温刺激が回復促進に有効だという報告がある。ただ、冷刺激や温刺激の効果に統一した見解がなく、そのメカニズムには不明な点が多い。一方、損傷筋の掃除屋として有名なマクロファージは、損傷からの回復にも活躍することが分かってきた。しかし、冷刺激や温刺激による筋損傷からの回復促進時に、このマクロファージの活性が高まるか、そもそもその高まりが回復促進に関与するかは不明である。そこで、本研究は筋損傷の回復に対する冷刺激や温刺激の効果を明らかにするとともに、これらの刺激に対するマクロファージの動態や回復促進効果への関与を明らかにすることを目的とする。まず、再現性のある筋損傷モデルラットを作製するために小動物用足関節運動装置と電気刺激装置を用いて、ラットの前脛骨筋に遠心性収縮を行った。遠心性収縮24時間後に、冷刺激、温刺激を加えた。冷刺激は冷却循環装置とウォーターバスを用いて 10 ℃に設定した水にラットの下腿部を浸した。温刺激は、ウォーターバスを用いて 42 ℃に設定した水にラットの下腿部を浸した。筋損傷からの回復促進効果を調べるために、筋損傷後から経時的に生理学的評価(筋力)を行い、筋損傷21日後に前脛骨筋を採取し、組織学的評価を行った。生理学的評価は、小動物用足関節運動装置と電気刺激装置を用いて、足関節背屈筋群の等尺性収縮時の足関節背屈トルクを測定し、筋損傷による筋力低下を評価した。組織学的評価は、筋採取後に凍結横断切片を作製し、筋線維横断面積を測定した。現在、冷刺激や温刺激の筋損傷回復への効果を検証しているところである。また、筋損傷からの回復過程におけるマクロファージの動態を評価する為の抗体の特異性を検証することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に、筋損傷からの回復に対する冷刺激や温刺激の効果を明らかにする予定だったが、まだ効果の検証段階である。再現性のあるモデル動物の作製に使用する装置の変更に伴って、モデルのチェックをしていた事が原因と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに遅れていた原因は解決されたので、平成25年度の前半に、H24年度に実施できなかった研究を実施すると同時に、H25年度の研究内容を並行して実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の値引きにより、消耗品の支出が予定より少額となった。このため、平成24年度に予定していた物品の購入は、平成25年度研究計画の予算と合わせて前半に使用することとした。
|