2013 Fiscal Year Annual Research Report
冷刺激や温刺激はマクロファージの動態を変化させ,筋損傷からの回復を促進するか?
Project/Area Number |
23700640
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 助教 (00549313)
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Keywords | リハビリテーション / 筋損傷 / ラット / 冷刺激 |
Research Abstract |
筋損傷に対する理学療法として、冷刺激が用いられる。しかし近年、温刺激が回復促進に有効だという報告はあるが、冷刺激や温刺激の効果に統一した見解がなく、そのメカニズムには不明な点が多い。一方、損傷筋の掃除屋として有名なマクロファージは、損傷からの回復にも活躍することが分かってきた。しかし、冷刺激や温刺激による筋損傷からの回復促進時に、このマクロファージの活性が高まるか、そもそもその高まりが回復促進に関与するかは不明である。そこで、本研究は筋損傷の回復に対する冷刺激や温刺激の効果を明らかにするとともに、これらの刺激に対するマクロファージの動態や回復促進効果への関与を明らかにすることを目的とする。まず、再現性のある筋損傷モデルを作製するために、小動物用足関節運動装置と電気刺激装置を用いて、ラットの前脛骨筋に遠心性収縮を行った。遠心性収縮24時間後に、冷刺激を加えた。冷刺激は冷却循環装置とウォーターバスを用いて、10度に設定した水にラットの下腿部を浸した。筋損傷からの回復促進効果を調べるために、筋損傷後から経時的に生理学的評価(筋力)を行い、筋損傷21日後に前脛骨筋を採取し、組織学的評価を行った。遠心性収縮2日後の筋力は、損傷前の約40%まで低下していたが、その後徐々に増加した。また、遠心性収縮24時間後に冷刺激を与えた群の筋力は、与えない群に比べ大きかった。また、冷刺激を与えた群の筋損傷21日後の筋線維横断面積は、与えない群に比べ大きかった。以上のことから、遠心性収縮24時間に行った冷刺激は、筋力と筋線維横断面積の回復を促進する可能性が示唆された。
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