2012 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者の麻痺側上肢に対する治療的電気刺激と促通反復療法の併用効果
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23700643
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宮坂 裕之 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 助教 (00440686)
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Keywords | 脳卒中 / 上肢機能 / リハビリテーション / 治療的電気刺激 / 促通反復療法 |
Research Abstract |
今年度は、治療的電気刺激療法と促通反復療法のデータ集積とともに、当該研究の効果判定に使用するための評価尺度を考案した。一つ目は、脳卒中麻痺側上肢を使用した日常生活能力と,それらを構成する機能的スキルを評価するための脳卒中上肢機能的スキル評価尺度(Functional Skills Measure After Paralysis:FSMAP)で、二つ目は、脳卒中患者の麻痺を定量化するための計測装置である。 FSMAPでは、構成概念妥当性を検討するために、回復期リハビリテーション病棟に入院した初発脳卒中患者142名(年齢64.7±13.4歳,右片麻痺72名,左片麻痺70名)を対象とし、入退院時にFSMAPによる評価を行い、その得点変化と治療者以外の主観的判断によるアンケートとの相関分析を行なった。入院時FSMAPは20.5±24.9点で退院時は29.7±27.0点であった(p<0.001).FSMAP得点変化とアンケートによる相関分析では麻痺側上肢全体で0.65であった(p<0.001).入退院時のFSMAPは有意に改善しており,回復期段階の脳卒中患者では反応性が高いことが確認された.また,FSMAP利得とアンケート調査による主観的判断の相関係数は0.65と有意な相関を認め,FSMAPの構成概念妥当性は十分なものであると考えられる. 麻痺の定量化については,当該研究の対象者の麻痺を客観的に分析するために、麻痺側前腕を固定する装置を作製し、カメラ画像より、動きを分析する方法を考案した。現在、同方法の信頼性検討に向け、準備を進めている。 現在、当該研究の対象者に対し、FSMAPによる評価を行っており、既存の評価尺度に追加して検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに研究対象者として集積した症例は、重度麻痺群では、治療的電気刺激群:14名、促通反復療法群:16名、治療的電気刺激と促通反復療法との併用療法群:13名である。中等度麻痺群では、促通反復療法群:6名、治療的電気刺激と促通反復療法との併用療法群:8名である。軽度麻痺群では、促通反復療法群:5名、治療的電気刺激と促通反復療法との併用療法群:5名である。 昨年度までに、治療的電気刺激のみ、促通反復療法のみの症例データは合計40例程度集まっており、それらのデータを含めて検討が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間でデータが集積されてきた。しかし、中等度麻痺群、軽度麻痺群の症例が少ないため、継続してデータ集積を行っていく。また、同時に、パイロット研究として解析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度、当該研究で使用する備品として、電気刺激装置、解析用のパソコン、記録データ保存用の記憶媒体の購入を検討している。また、研究成果の報告のため、出張費も検討している。予定としては、6月に中国の北京で開催される、7th World Congress of the International Society of Physical Rehabilitation Medicineにて発表予定である。
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Research Products
(9 results)