2013 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害児に対する視覚優位な特徴をいかした協調運動改善プログラムの開発
Project/Area Number |
23700648
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
大歳 太郎 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336483)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 自閉症スペクトラム / 発達障害 / 協調運動 / 絵カード / 視覚優位 / タッチパネル / 作業療法 |
Research Abstract |
最終年度は,絵カード型シンボルを取り入れたタッチパネルPCを用いて,重症度別,精神発達年齢別,協調運動の能力別にカテゴライズした群別における経時的変化の追跡による介入効果の分析により,はさみ課題に着目し獲得までにどの程度の期間を要するのかを明らかにした。 対象は,医療機関においてASDと診断を受け,A施設に通所している児12名を継時的に検討した。各対象児の利用頻度は,週1~2回であった。はさみ使用の微細運動評価にはPEP-3発達検査の下位項目を用いた。すなわち,切り方により,1)不可または1回切り,2)ばねばさみを用いた直線切り,3)直線切り,4)曲線または波線切り,の4段階に分類した。はさみ使用の際には,視覚支援に基づき持ち方の絵カードと手順書を表示できるタッチパネルPCを用いた。 結果,1)はさみ導入時の平均月齢は49.3±9.8か月であり,微細運動の発達月齢は36.4±8.4か月であった。2)開始時のはさみの切り方の質について,不可または1回切りのレベルが7名,ばねばさみを用いた直線切りのレベルが2名,直線切りのレベルが3名であった。3)直線切りができるまでに必要な練習回数は15.1±9.1回であり,直線切りからカーブや波線切りへと移行する回数は8.2±7.4回であった。また,タッチパネルPCは,数回繰り返すと手順書としての活用が可能であった。 本研究から,タッチパネルPCを用いたはさみの導入指針が提供できたと考える。
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Research Products
(5 results)