2013 Fiscal Year Annual Research Report
随意的な立位姿勢制御の中枢過程へバイオフィードバック法がおよぼす影響
Project/Area Number |
23700649
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
前田 薫 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00454687)
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Keywords | 姿勢制御 / 運動準備 / 注意 / 立位位置知覚 |
Research Abstract |
【目的】立位にて随意的に前傾および後傾するときの難度が脳波の随伴陰性変動(CNV)に及ぼす影響を、脳卒中の既往を有する者を対象として検討した。【方法】被験者は4名の成人男性であり、そのうち3名には、片側もしくは両側の上下肢の明らかな麻痺が認められた。被験者が床反力計上で安静立位を保持した状態にて、警告刺激(S1)と反応刺激(S2)が提示された。いずれもバースト音による聴覚刺激であり、S1とS2の間隔は2秒であった。被験者らは、S2に対して随意的に身体を前方または後方の目標位置まで傾斜させ、それを3秒間保持した。その直後に、保持位置が目標位置の±1㎝の範囲内であったか否かが、被験者にフィードバックされた。前後方向の圧中心位置(CoPap)は、踵からの足長に対する距離の割合(%FL)で表された。目標位置は、最前傾(EFL)より5%FL後方(EFL-5)および10%FL後方(EFL-10)、そして最後傾(EBL)より5%FL前方(EBL+5)および10%FL前方(EBL+10)と定められた。【結果】後期CNVのピーク振幅は、EFL-5とEBL+5において、他の目標位置の場合よりも高い傾向があった。目標位置がEFL-5およびEBL+5である条件において、CoPapがそれぞれEFLおよびEBLを超えた試行数が80%以上であったとき、後期CNVのピーク振幅は、それらの条件において最も高い値を示した。ピークの潜時は、目標位置がより前方であるほど、S2に対して先行する傾向があった。【考察】運動準備および予測的な注意に関係する脳活動は、随意的に前傾および後傾するときの難度が高い場合に大きくなるものと推察された。また、その活動の増大は、最前傾付近に向けて身体を傾斜する場合には、最後傾付近に向けて傾斜させる場合に比べて早期に起こるものと推察された。
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