2012 Fiscal Year Annual Research Report
頭部挙上訓練が嚥下障害を有する維持期脳卒中患者の嚥下内圧に及ぼす影響
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23700654
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 真紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10441825)
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Keywords | 摂食・嚥下障害 / 維持期脳卒中 / 頭部挙上訓練 / 嚥下造影検査 / 嚥下内圧 |
Research Abstract |
維持期脳卒中患者の摂食・嚥下障害を改善する訓練の有効性を検討した報告は少ないが、頭部挙上訓練が維持期脳卒中の嚥下機能を改善し、誤嚥が減少することが報告されている.頭部挙上訓練は仰臥位で頭部の持続挙上および反復挙上を行うことで嚥下時の喉頭挙上に関わる筋の筋力が強化され、喉頭運動と食道入口部開大が改善する方法である.しかし、頭部挙上訓練による嚥下機能改善のメカニズムを詳細に検討した報告はないため、維持期脳卒中患者に対して頭部挙上訓練を行い嚥下造影検査、嚥下内圧検査等による結果を訓練実施前後で比較することで、機能改善のメカニズムを明らかにすることにした. 対象は、脳卒中を発症後6ヶ月以上が経過した男性で、嚥下造影検査で舌骨移動の不良、食道入口部開大不全などの異常所見を認め、本研究の主旨と内容を理解し研究参加に同意した患者である.対象者に対し頭部挙上訓練を行い、訓練実施前後に評価を行った.頭部挙上訓練は、Shakerらの方法に従い、1日3回、6週間実施した.評価内容は等尺性頚部屈曲筋力、嚥下造影検査による嚥下機能、嚥下内圧である.等尺性頚部屈曲筋力は、背もたれの上端が頭部より高い椅子に腰かけた状態でハンドヘルドダイナモメーターのセンサー部分が被験者の前額部に接触した状態で椅子とベルトで固定し、被験者が頚部屈曲を最大努力で行った際の筋力を測定した.嚥下造影検査はLogemannの方法に従い、3ml・5mlのバリウム水、3mlのバリウムゼリーを側面および正面像で撮影をしながら摂取し、撮影した検査画像をコンピューターに取り込み、舌骨移動距離、食道入口部最大開大幅を測定した.嚥下内圧は、システムの圧センサーを上・中・下咽頭、食道入口部に置き、嚥下時の圧力、圧発生のタイミングについて測定した. 平成24年度の対象者は4名であった.
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